<陸上:日本選抜和歌山兼モスクワ世界陸上代表選考競技会>◇28日◇和歌山市紀三井寺公園陸上競技場

 男子走り高跳びは高張広海(25=日立ICT)が2メートル20で優勝。2メートル28の世界陸上B標準も期待されていただけに、記録的には低調と言わざるを得ない。

 2メートル10の高さまで追っていた風が2メートル15から向かい風となり、どの選手も助走が合わずに苦しんだ。そのなかで高張と、2位の戸邊直人(21=筑波大)だけが2メートル20に成功。気まぐれな風の変化に対応した。

 昨年5月以降は国内で勝ち続けているが、記録的には2メートル20台前半で頭打ちになっている。その状況を打ち破るため冬期に、高校卒業後では初めて助走を変更した。「踏み切り後、横方向に跳躍が流れていた欠点を、バーの向こう側に抜けるようにするためです。まだ結果につながっていないので成功したとはいえません。今日の風のなかで2メートル20を跳べたのはまずまずですが、もっと丁寧にやらないとダメですね。リラックスしたなかでコントロールができれば、2メートル28は見えてくると思います」。

 2009年のベルリン世界陸上を最後に代表派遣が途切れている種目。ユニバーシアード5位(2009年)、アジア大会銀メダル(2010年)と国際大会で強さを発揮する高張への期待は大きい。