<陸上・日本グランプリシリーズ第3戦:織田幹雄記念国際陸上競技大会兼世界選手権代表選考会>◇最終日◇29日◇エディオンスタジアム広島

 3人のモスクワ世界陸上標準記録突破者が出場した男子棒高跳びは荻田大樹(25=ミズノ)が優勝。記録は5メートル50にとどまったが、4月に5メートル70の日本歴代3位を跳んだ好調さを維持している。

 「昨年秋に肩を故障してしまったので、走る練習を多くしました。走力がついたことで、(反発の大きい)硬いポールを使えるようになったことが良かったのだと思います」。

 記録が低調だったのは、ポールを持って助走をするこの種目は風の影響を受けやすいため。もう1人のA標準突破者の山本聖途(21=中京大)と日本記録保持者の澤野大地(32=富士通)は、最初の高さが跳べず記録なしに終わった。荻田も5メートル50では対応できたが、5メートル70では「軸が狂ってしまって踏み切れませんでした」という。

 風に苦しめられたとはいえ、現役選手3人が5メートル70以上の記録を持っているのは初めて。次週のゴールデングランプリ東京では3人のうちの誰かが、5メートル74の世界陸上派遣設定記録までバーを上げるだろう。