<陸上:ダイヤモンドリーグ第9戦:パリ国際>◇6日◇サンドニ

 男子200メートルはウサイン・ボルト(26=ジャマイカ)が19秒73の今季世界最高記録で優勝。

 「パリを愛している。いつもワンダフルな場所だ」と、いつものように舌もなめらかだった。

 米国勢が出なかったため、ジャマイカの後輩選手たちを相手のレースとなった。序盤で並んでいたニケル・アシュミード(23=ジャマイカ)を引き離して直線に出ると、2位に上がったロンドン五輪銅メダリストのウォーレン・ウィアー(23=ジャマイカ)を寄せ付けなかった。

 自身の持つ世界記録(19秒19)とはまだ差があるが、ライバルのタイソン・ゲイ(30=米国)が6月の全米選手権で出したタイムを、測ったように0・01秒上回ってみせた。

 今季のボルトは100メートルではパッとしない。5月のローマ大会でジャスティン・ガトリン(30=米国)に敗れ、6月のジャマイカ選手権に9秒94で優勝したがタイムは今季世界4位。ジャマイカ選手権のレース後には脚に不安があったことも明かしていたが、パリでは不調説を一蹴した。「走りに関しては今日もいくつかミスをしたので、修正作業をする必要がある。世界陸上(8月・モスクワ)に向けて全てを積み上げていくんだ」

 シーズン前半はそこそこのタイムでも、夏のオリンピックや世界陸上で一気に記録を上げてくるのがボルトのパターン。「みんな、モスクワでビッグショーを見ることができると思う」

 陸上界きってのスター選手が1カ月後の本番での快走を誓った。