<陸上:ダイヤモンドリーグ第11戦ロンドン・グランプリ>◇最終日◇27日◇ロンドン五輪スタジアム

 男女ハードル種目では、ケガからの復調を目指す第一人者2人が注目された。

 今大会前まで順調だったのは男子110メートル障害世界記録保持者のアリエス・メリット(28=米国)。6月の全米選手権は3位とぎりぎりの世界陸上代表入りだったが、今月6日のダイヤモンドリーグ・パリ大会では優勝。今季世界最高となる12秒台も期待されていたが、5台目のハードルを引っかけて失格してしまった。

 一方、女子100メートル障害ロンドン五輪金メダリストのサリー・ピアソン(26=豪州)は、今大会前は3連敗中。序盤でリードしても、中盤以降で昨年までの速いピッチが刻めなくなっていた。

 しかし今大会では中盤以降もリズムを維持して12秒65のシーズン自己最高タイムで優勝した。フィニッシュ後にはトラックを手で叩いて喜んだ。

 「みんなから我慢と、自分を信じることが大事だと言われて、それを実行してきました。今の状態からかけ離れたことをやろうとはしないで、1つ1つのレースでできることをやってきました」

 モスクワ世界陸上本番直前で失敗してしまったメリットと、上昇カーブを描き始めたピアソン。モスクワでは頂点を極めたハードラー2人の、形を変えた挑戦が注目される。