<陸上:第82回日本学生陸上競技対校選手権大会>◇第2日◇7日◇東京・国立競技場

 男子5000メートルは箱根駅伝のスター選手が大挙出場。そのなかでは8月のモスクワ世界陸上代表だった大迫傑(22=早大)が、13分46秒19で日本人トップの2位に入った。

 学生レベルでは物足りない。そう言っているかのようなレース展開をした。最初の1000メートル通過が2分38秒。「殻を破るようなレースをしたかった」と、日本記録に迫るペースで入った。

 中盤でペースダウンして集団も6人と膨らんだが、3400メートル付近で留学生のダニエル・ムイバキトニー(日大2年)と2人で後続を引き離した。最後は競り負けたが、日本人選手のなかではスピードの違いを見せつけた。

 モスクワから帰国してすぐに再渡欧。3000メートルと5000メートルの2レースに出場し、帰国して2日後に今大会に出場する強行軍だった。

 「外国選手はオリンピックや世界陸上後も、ダイヤモンドリーグなどを当たり前のように転戦します。そういった部分に気持ちの面で慣れていきたかった」

 大迫が目指しているのはマラソンではなく、トラック種目で世界と戦うこと。本人の中ではスピードとスタミナをバランス良くトレーニングしているが、他の学生選手と比べたらスピード系のメニューが多い。

 秋以降の駅伝に備えて夏場に距離を踏むのが日本のスタイルだが、大迫は“走り込み”は必要ないと考えている。それでも、箱根駅伝の20キロの距離なら対応できる自信を持つ。スピードを落とさないことが、トラックで戦うことに直結する。

 「(箱根駅伝は)12月から少しずつ意識していきますが、(早大伝統の)集中練習も、来シーズンにつながるものを選んでやっていくつもりです」

 純粋にトラックで戦うことを目指すなかでの学生駅伝。それが秋以降の大迫の注目ポイントになる。