<陸上:全日本実業団対抗選手権>◇第1日◇20日◇埼玉・熊谷スポーツ公園陸上競技場◇男女1万メートル決勝(タイムレース)

 女子1万メートルの日本人トップはルーキーの岡小百合(23=ダイハツ)が32分06秒79で日本人1位。全体では3位だったが、最後の周回でモスクワ世界陸上7位のカプチッチ・チェピエゴ(27=九電工)に0・65秒差まで迫る好走で、自身の23歳の誕生日を1日遅れで飾った。

 「初めての実業団の全国大会で緊張しましたが、タイムも30秒以上自己記録を縮められましたし100点のレース」と笑顔を見せた。

 大阪の浪商高では5000メートルが16分50秒台の無名選手。大体大に進んで2年時に15分50秒と急成長し、3年時は日本インカレ1万メートルを制し注目され始めた。

 今回の快走で実業団でも十二分に通用する力があることを示した。

 「次の目標は全日本実業団女子駅伝で優勝すること。長距離区間を走りたいです」

 ダイハツの長距離区間は8月のモスクワ世界陸上で4位に入賞した木崎良子(28)と、2年前のテグ世界陸上代表だった中里麗美(25)、2人のマラソン日本代表が走ってきた。その区間を新人の岡が走れるくらいに力をつければ、「将来はマラソンで日の丸を背負って走りたい」という目標に大きく前進することになる。

 もちろん、駅伝に向けてのチーム力も一気に上がる。実業団女子駅伝の新星誕生を予感させる走りだった。