<東京国体:陸上>◇4日◇味の素スタジアム

 桐生祥秀(17=洛南高)が10秒22で圧勝した少年男子A100メートル。桐生という別格の選手を、他の高校生はどう見ていたのだろう。2位の小池祐貴(立命館慶祥高3年)は8月のインターハイ、今大会と連続2位。インターハイは0・19秒差で、今大会は0・29秒差だった。「差がここまで開くとは思っていませんでした。また力の違いを見せつけられましたね。彼はトップスピードに乗せるのが早いし、後半もぐんぐん離されてしまった。今日の(20℃を切る)コンディションで10秒22はとんでもないタイムです。(9秒台など)別のところが見えたと思う」

 桐生の活躍に隠れてはいるが、小池がインターハイで出した10秒38は普通のシーズンなら高校1位にランクされても不思議ではない。

 インターハイ後はスタートを改善し、「だんだん形が見え始めてきた」と手応えも感じている。メンタル的にも桐生に臆することなく、「勝たないといけないレース」と位置づけて国体にも臨んでいた。

 現在の力の差は認めるしかないが、将来的には「桐生に勝ちたい」と闘志を見せる。今回は開いてしまった差を、高校卒業後に一気に詰めてくる可能性もある選手だ。