第53回中部実業団対抗駅伝が11月17日、愛知県田原市内を周回する7区間83・6キロのコースで行われる。上位7チームがニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)へ出場できる。

 ニューイヤー駅伝でも優勝候補に挙げられているトヨタ自動車の戦いぶりが注目されている。エースの宮脇千博(22)はリオ五輪に向けて期待の若手。シーズン前半は出遅れてモスクワ世界陸上代表入りを逃したが、9月の全日本実業団1万メートルでは日本人トップの4位と復調した。

 1万メートル27分台ランナーの高林祐介(26)が不調に苦しんでいるが、代わって大石港与(25)の充実ぶりが光る。3月の全日本実業団ハーフマラソンで4位と好走。夏のヨーロッパ遠征では5000メートルで自己新をマークした。

 新人では箱根駅伝4区区間賞の田中秀幸(23。順大出)が10月に1万メートルで自己新と順調。同じ新人の早川翼(23。東海大出)も同じくらい調子が良いという。

 ベテランでは2011年テグ世界陸上マラソン代表だった尾田賢典(32)が健在。10月のシカゴマラソンで2時間11分29秒(9位)の自己セカンド記録で走った。

 昨年は地元田原開催初年度だったが、宮脇を体調不良で欠いたことも影響して3、4区が連続でブレーキ。5、6、7区と連続区間賞で追い上げたがトヨタ紡織に29秒届かなかった。

 佐藤敏信監督(51)は「外国人区間の2区で30~40秒後れるかもしれないが、3区から攻めていきたい。できれば4区で、遅くとも5区ではつかまえたい」と雪辱を期す。

 前回優勝のトヨタ紡織は東洋大卒の市川孝徳(23)、青学大卒の大谷遼太郎(23)、順大卒の大池達也(23)と、箱根駅伝で注目された新人が加入。シーズン前半で3人とも5000メートルで自己新と好スタートを切った。

 東洋大の山下りスペシャリストとして箱根駅伝優勝を2回経験している市川が1万メートルでも自己新と一歩リードしたが、10月の記録会の1万メートルでは大池が先着した。

 ベテランの白栁智也(32)、前回3区区間賞の椎谷智広(27)も派手な活躍はないが安定している。

 白柳、椎谷、大池、市川の4人はトヨタ自動車勢に対抗できる力を持つ。外国人区間の2区で獲得するリードを上手く使えば、2連勝の可能性はある。