第52回中国実業団対抗駅伝が11月17日、広島県世羅町の世羅高校を発着点とする7区間82・8キロのコースで行われる。上位4チームがニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)への出場権を得る。16連勝中の中国電力にマツダ、JFEスチールがどこまで迫ることができるか。

 中国電力はニューイヤー駅伝で優勝2回(2004、07年)の強豪チーム。中国地区予選では2位に5分以上の差をつけることも多かった。しかし、五輪&世界陸上のマラソンで活躍してきた尾方剛、油谷繁が引退し、昨年は2位のマツダに5区までリードされる苦戦。“純国産チーム”のため今回も、外国人区間の2区でリードされる展開が予想される。

 しかし後半の強さは中国電力が一枚も二枚も上。ニューイヤー駅伝の最長区間で必ず区間3位以内に入っている岡本直己(29)や、スピードのある石川卓哉(25)、米沢類(26)らが駅伝では安定した強さを発揮する。優勝候補筆頭であることは間違いない。

 新人の出岐雄大(23)は大学4年時の不調から抜け出していないが、2年前の箱根駅伝2区区間賞の実績を持つ。出岐が間に合えば、“強い中国電力”が復活する。

 マツダはエースの圓井彰彦(29)がトラックの中国実業団5000メートル・1万メートルで日本人トップ。柏原竜二(24=富士通)と同学年で東洋大の箱根駅伝優勝に貢献した山本憲二(24)も成長している。

 マツダ、JFEスチールとも選手層の厚さでは中国電力に劣るが、2区の外国人区間で貯金が見込める。マツダの日本人選手の頑張り次第では昨年以上の接戦となる。