陸上女子長距離の12年ロンドン五輪代表で、昨年の世界選手権モスクワ大会女子1万メートルで5位入賞を果たした新谷仁美(25)が31日、所属するユニバーサルエンターテインメントの本社がある東京・有明で引退会見した。

 25歳という若さでの引退について、12月11日に診断された右足足底筋膜炎を理由に挙げた。「足の状態を知った時、ホッとした。これで舞台から下りることが出来る、やっと競技をやめられると思った瞬間だった」と決断。翌年の世界選手権を、最後の世界舞台にすることを決めたという。

 その世界陸上も、終盤までアフリカ勢と先頭争いを演じ、自己ベストの走りをしたが「メダルを取れずプロとして失格。ピリオドを打つしかないと思った」。故障と合わせ、引退の引き金になったようだ。

 これまでの陸上人生は「おばあちゃんになったら『つらかったな』と思うかもしれないけど、今は全てがいい思い出」という。今後については全くの白紙で「社会のために役立つことは何も出来ないし、陸上との関係も一切、断ちます」。母との触れ合いで涙を流すシーンもあったが、最後まで「新谷流」を貫いた幕引きの引退会見だった。