<第91回箱根駅伝>◇2日◇往路◇東京-箱根(5区間107・5キロ)

 青学大が5時間23分58秒で往路初優勝を飾った。山登りの5区(23・2キロ)で、エース神野(かみの)大地(3年)が1時間16分15秒の区間新記録で快走した。

 45秒差の2位でタスキを受け取ると、1位駒大を猛追。10・2キロで駒大・馬場に追いつくと、そのまま並走、力をためて10・5キロで馬場を抜いてトップに立った。力強く、大きな腕振りで山をグングン登り、勢いは最後まで衰えなかった。ガッツポーズで往路優勝のゴールテープを切った。

 コースが変更されたが、1時間16分15秒は12年に柏原竜二(東洋大-富士通)がマークした1時間16分39秒を上回る好記録だ。

 神野は「いい流れで来ていたので、自分の力を全部出そうと思っていた。ゴールテープを切るのは想像していたが、現実になって夢を見ているんじゃないか、という気持ち。山に入ってからが勝負だと思っていたが、調子が良かったので流れに乗っていった」と振り返った。

 名前の「大地」は、父敏道さんが88年ソウル五輪競泳男子100メートル背泳ぎ金メダルの鈴木大地氏にあやかって命名された。その名に負けぬ、大活躍だった。今井正人(順大-トヨタ自動車九州)、柏原ら歴代大会で伝説の“山の神”を輩出した往路5区で、新たなヒーローが誕生した。

 ◆往路の5区、復路の6区で通過する箱根の函嶺洞門が14年2月から通行止めとなり、その脇に開通したバイパスを今回から走行。別ルートとなるため距離にして約20メートルの差が出る。前回までの記録は参考記録となり今回からの記録が新規記録となる。