<高校総体:陸上>◇30日◇沖縄県総合運動公園陸上競技場◇男子100メートル決勝

 高校最速男、和歌山北・九鬼巧(3年)が85年以来史上5人目となる2連覇を達成した。貫禄(かんろく)の走りに、「決勝の1本にすべてをかけていた。疲労は言い訳にしたくなかったので、勝てて良かった」と、感慨深げだった。

 「自分との闘い」と位置付けたレースで、最高の結果を出した。強行日程を覚悟し、カナダでの世界ジュニア選手権に参加した。7月27日に帰国したばかりだった。

 沖縄入りしてからは、想像以上に疲労の蓄積を実感していた。「先輩の紹介で接骨院や、海外へ帯同してくれたトレーナーにマッサージしてもらった。回復の実感はあまりないけど、できることはやろうと思って」と振り返った。

 体調が万全ではない中でステップアップした九鬼は「インターハイで勝つことも大切だけど、日本選手権など上のクラスで勝てるような選手になりたい」。逆境を乗り越えた男が、次の目標へ走りだした。