<陸上:日本選手権混成競技>◇最終日◇5日◇神奈川・川崎市等々力陸上競技場

 陸上日本選手権の混成競技最終日が神奈川・等々力陸上競技場で行われ、男子10種競技の右代啓祐(24=スズキ浜松AC)が日本人初の8000点超えで2連覇した。93年に金子宗弘(ミズノ)が記録した7995点を18年ぶりに塗り替え、8076点をマーク(走り幅跳びのベスト記録は追い風参考、公認記録は次点記録で換算した8073点=日本新)。8月世界選手権の参加B標準記録を突破し、韓国切符をつかんだ。女子7種競技は、10連覇を狙った中田有紀(34=日本保育サービス)が3位に敗れ、桐山智衣(中京大2年)が5445点で初優勝を飾った。

 最後の1500メートル。右代は196センチ、93キロの巨体を揺すり、4分35秒83でゴールに飛び込んだ。前人未到の領域に足を踏み込み、自然と涙がこぼれた。「8000点を意識していたので、緊張の糸が切れた」。やり投げで圧巻の73メートル6センチ(936点)を記録するなど、2日目で4121点を稼ぎ、日本新記録につなげた。混成の競技力アップへ、2年前から合同合宿が始まった。マット運動を取り入れるなどし、苦手だった柔軟性、走りが飛躍的に成長。確実に得点を稼げるようになった。「次は8300点です」。世界を見据え、さらなる高みをにらんだ。