駅伝のエース候補が、悲劇に見舞われた。21日午前2時20分ごろ、福岡市城南区の福岡大の指定女子寮「あしかり荘」から「布団が燃えている」と119番があった。早良署によると、木造2階建ての建物約300平方メートルを全焼。焼け跡から1人の遺体が見つかり、寮生の同大スポーツ科学部1年川端麻友さん(19)と確認された。早良署などが、詳しい状況や出火原因などを調べている。

 火災現場には大学職員が駆けつけ、泣きじゃくる学生に毛布を渡しながら安否確認に追われるなど、騒然となった。寮は民間の経営で、4畳半の個室が1階に14室、2階に21室。学生33人と寮母1人が住んでいた。出火当時、学生と寮母の計32人がいた。女子寮の指定は1974年(昭49)に受け、かなりの築年数があったが、消火器と火災報知機は備わっていた。

 川端さんは陸上競技部所属。長崎県立島原高校時代から中長距離の選手として活躍した。今年10月に仙台市で行われた全日本大学女子駅伝では、1区5・8キロを19分21秒で走り、28人中16位だった。関係者は「(今月1日の)九州学生女子駅伝でも1区を走った。選手として有望と聞いていた。寮に住んでいた陸上部員もショックを受けている」と話した。

 ◆長崎県立島原高校の鶴田勝也教頭(50)の話

 川端さんは、クラブやクラスでの人望が厚く、後輩の面倒見も良かった。学校の先生になるのが夢だった。そのために福岡大に進んだ。陸上界でも期待されていた。朝に悲報を聞いて驚いている。