<東京マラソン>◇24日◇東京都庁前-東京ビッグサイト(42・195キロ)

 09年世界選手権銀メダリストでロンドン五輪代表の尾崎好美(31=第一生命)がラストレースを終えた。「最後まで楽させてくれないな」と強風に苦しみながら、日本人トップの2時間28分30秒で5位。「ゴールが精いっぱい。ホッとしました」と競技生活の一区切りとしたレースを終えた。

 スタート前の心境は「もっと海外のメジャー大会に出たかったな」。ゴール後は「すごいきつかった。しばらく走りたくないという思いが強かった」。マラソンは今大会で10回目。あらためて苦しさが身に染み、心変わりを素直に笑った。

 今後は交際中の男性の「サポートができれば」。米国で大学院に通う4歳下の日本人研究者で、米航空宇宙局(NASA)関連の会社に内定中。「(米国に)長期とか行きたい」と言う。

 「最後なら本気でやれ」。彼からもらったエール通りに、最後まで全力を尽くした。復帰の可能性は「15%」。今は第2の人生へ、走りだす時だ。【阿部健吾】