04年アテネ五輪女子マラソン金の野口みずき(34=シスメックス)が8日、名古屋市内のホテルで10日号砲の名古屋ウィメンズマラソン(ナゴヤドーム発着)招待選手会見に出席した。世界選手権(8月、モスクワ)の国内最終選考レースに向けて、優勝と2時間23分台を宣言。クリアすれば、文句なしで代表選出となる目標を掲げて、復活への強い手応えを口にした。

 野口

 優勝を目指して、(2時間)23分台を狙っていきたい。モスクワの世界選手権に出たいという気持ちが強くある。早く走りたくて、ワクワクしている。

 1月27日の大阪国際は欠場したが、月間平均1000キロの距離を走り、名古屋に入った。直前の千葉・富津市合宿では平たんな道でスピードに磨き。昨年の名古屋は4年4カ月ぶりのマラソンで「42・195キロ走れるか、不安も半分あった。去年とは比べものにならない」ときっぱり言った。レースは30キロまでペースメーカーがつくが、広瀬監督は「ペースメーカーにこだわるな」と指示する方針。スローペースになれば仕掛ける選択肢もある。

 野口

 アテネの時、目の前にチャンスがあれば逃さないと思った。今は同じような気持ち。モスクワの代表を、チャンスを、逃さない気持ちでやれている。

 広瀬監督も「仕上がりはいい。本当の100%ではないが(05年)ベルリンや(07年)東京以来」と言う。昨年の名古屋は五輪を逃す6位も「ここからスタート」と涙で誓った。初マラソンも経験した思い出の地で復活する。【益田一弘】

 ◆女子マラソンの世界陸上選考

 枠は5人。(1)昨年11月の横浜国際、今年1月の大阪国際と今回の名古屋ウィメンズで派遣設定記録(2時間23分59秒以内)をクリアした日本人1位は代表決定。(2)昨年のベルリン、シカゴ、ニューヨークシティー(中止)と今年4月のボストン、ロンドンで派遣設定記録をクリアすれば代表候補。(1)(2)で満たない場合は昨年8月の北海道を合わせた国内4大会の日本人3位以内から選考。現状で決定者は不在。横浜国際、大阪国際ともに日本人トップの2位に入った那須川瑞穂と福士加代子が有力候補になっている。