<さいたまシティマラソン>◇24日◇さいたまスーパーアリーナ発着◇ハーフマラソンの部

 招待されたからには、はってでも出る!

 最強市民ランナー川内優輝(26=埼玉県庁)が、強烈なプロ意識を示した。川内はゲストランナーとして招待出場。肉離れなど故障を押しながらトップでフィニッシュした。5月には自身初の2日連続ハーフマラソン出場も計画。過密日程にも全力疾走を宣言した。

 一般ランナーを励ましながら、笑みをまじえてのリラックス走。よくあるゲストランナーの姿だが、川内の場合は違う。全力で走る後ろ姿で、何かを感じてもらえたら…。独走状態のままフィニッシュした。自己ベストに3分34秒遅れの1時間5分52秒。周囲が憂慮する過密日程に加え、3日前の記録会では中学生のペースメーカーを務め、左股関節と右太もも裏の軽い肉離れ。それを考えれば、手抜きの数字ではない。

 強烈なポリシーがある。

 川内

 中山(竹通)さんが「招待を受けるということは、欠場しない覚悟を持って、はってでも出ないといけない」と言われてました。喜んでくれる一般ランナーに、本来は実業団の選手がしっかりした走りを見せるべきなのに、その風潮がないし最近は結構、招待されながら欠場する。招待された以上、ボクは調子が悪くても絶対に走ります。

 下旬に公示される次の異動先次第だが、今後も驚異のレース出場を予定する。4月は10マイル、ハーフ、フルマラソンに5000メートル。さらに5月は5つのハーフマラソンを入れ4、5日は埼玉・春日部→札幌(豊平川マラソン)と自身初の「連チャンハーフ」をこなす。

 「午前と午後に20キロずつ走ることもあるし平気ですよ」と川内。世界陸上に向け「月ごとにテーマを決めて」と、6月は距離を延ばし海外マラソンや50キロレースも予定する。過密日程は心配だが、信念を貫く公務員ランナーに歯止めをかける手だてはなさそうだ。【渡辺佳彦】