<陸上:函館ハーフマラソン>◇29日◇函館・千代台公園陸上競技場

 男子は昨年12月の福岡国際マラソン以来の国内復帰戦となった藤原新(32=ミキハウス)が、1時間4分19秒で優勝した。左太もも裏の故障から15日の国際大会、グレートノースラン(英国)で復帰。約1年ぶりの国内レースは、ラスト約1・5キロでスパートをかけ、そのまま押し切った。年内のマラソン復帰も明言し、20年東京五輪までの現役続行も宣言。“新た”なスタートを切った。

 真っ黒に日焼けした藤原が、両手を広げて真っ先にゴールした。昨年12月の福岡国際以来の国内復帰戦。序盤からけん制し合う厳しいレース展開だったが、ラスト約1・5キロ付近で競っていた伊藤の反応が悪いと見ると前に出た。状況を冷静に判断する「クレバーな走り」は健在。後続を抑え込んだ。「国内でピリッと緊張したレースを味わいたかった。タイムは満足していないが次につながる」と納得した。

 悪夢は自身で振り払う。昨年12月の福岡国際マラソンのレース中、両ふくらはぎがつり4位。その後、1月に左太もも裏を痛め東京マラソンを棄権と歯車が狂った。左足は完全ではないが、年内のマラソン出場を明言。「悔しい思いをした」と話すように、12月の福岡国際マラソンでリベンジに挑む。20年東京五輪についても「39歳なので踏ん切りつけるにはちょうどいい」。7年後までの現役続行も宣言し、再び加速する。