<陸上:日本選手権兼アジア大会代表選考会>◇第1日◇6日◇福島市とうほう・みんなのスタジアム◇女子200メートル予選ほか

 頑張ろう、フクシマ-。女王復活へ福島千里(25=北海道ハイテクAC)が第1歩をしるした。個人種目では今季初戦の女子200メートル予選第1組を、全体1番のタイムとなる23秒66で通過。4連覇がかかる今日の決勝、5連覇を狙う100メートル予選で不安を一掃する。

 自信を失い、顔色を失った姿はない。予選後の福島は満面笑みの「千里ワールド」全開だった。「走り切れて良かったな~って。初戦で緊張してたけど楽しく走れたらいいなって。いろいろな経験が、この日本選手権でスカッといい形で表れればなって」。取材エリアのピリピリムードを、舌っ足らずなホンワカ口調で解きほぐした。

 短距離2種目の日本記録更新から4年。さらなる記録向上を求め、試行錯誤の走法変更などで迷走した。苦境脱出に2月には、オーストラリアで単身合宿を敢行。少しばかり度胸がついた。今大会の開催地に入ると幸せな出来事があった。「街中のどこでも“福島”のフレーズを見かける。ホテルの前には“福島はくじけません”っていう横断幕があって今日、写真を撮りました」。震災から復興に立ち上がる福島の地が、女王復活への手助けになる。