陸上の世界選手権は10日に開幕する。大会初日の注目は最初の決勝種目となる女子マラソンだ。

 大会前日の9日のモスクワの気温は29度(13時現在)。直射日光が強く、立っているだけで汗をじんわりかく。大会当日の最高気温は30度と予想されており、サバイバルレースとなりそうだ。

 日本からは精鋭3人が出場する。2004年アテネ五輪女王の野口みずき(35=シスメックス)にとってはパリ大会以来、10年ぶりの世界選手権。10年前には銀を獲得している。長いブランクはあったが復調しており、ベテランの走りに期待がかかる。

 昨年のロンドン五輪代表の木崎良子(28=ダイハツ)は「暑くなれば自信がある」と夏のマラソンを歓迎する。ラストのスピードもあり、最後まで粘れれば上位進出の可能性がある。

 一発があるとすれば福士加代子(31=ワコール)か。マラソンでは世界大会は初出場だが、トラックでは世界選手権5回、五輪3回の出場があり世界の舞台の経験は豊富。米国での合宿で十分に走り込んでおり、スピード勝負になればアフリカ勢にもひけを取らない。

 レースはロンドン五輪金のT・ゲラナ(エチオピア)、4月のロンドンマラソンで2時間21分32秒のタイムをマークした前回大会覇者のE・キプラガト(ケニア)らアフリカ勢を中心としたレースになりそう。日本の3選手のメダル獲得に期待したい。