今週は米NFLレイダースのオーディションに挑戦する瓜生桂さんです。東海大ソングリーダー部副監督、チアダンスの社会人チーム「ラフィネス」代表など、多忙な生活を送りながらも、自らの夢をかなえるために先日渡米しました。NFLのチアを目指すきっかけや意気込みを聞きました。

NFLレイダースのオーディションに挑戦する瓜生さん
NFLレイダースのオーディションに挑戦する瓜生さん

瓜生さんがチアダンスを始めたきっかけは、横浜隼人高2年時に所属していたソングリーディング部の外部コーチ柿原奈央子さんとの出会いだった。当時、JCDA(日本チアダンス協会)の理事兼インストラクターだった柿原さんの指導の下、キャプテンとして全日本チアダンス選手権に出場。「国内大会でグランプリをとり、アメリカで開催される世界大会に出場したい、という目標が生まれました」と振り返る。


高校卒業後は、JCDAの初代理事長・東海大学総監督の森久保俊満さんの熱烈なスカウトにより、東海大学体育会ソングリーダー部に入部。世界大会を目指して入部したものの、チームメート全員が初心者だった。キャプテンとしてチームメートを鼓舞し、毎日約8時間以上の練習を行った。4年時には、全国大会のUSAジャパンナショナルズで3位を獲得した。

昨年のNFLレイダースオーディション時の瓜生さん
昨年のNFLレイダースオーディション時の瓜生さん

大学卒業後は、母校で英語教員を経て、東海大体育会ソングリーダー部の副監督も務めている。「自分の行動が変われば、周りも変わり、チアダンスの活動を応援し、協力もしてくれる。自分自身の楽しみだけでなく、相手に勇気や感動を伝えたいから踊るといったチアスピリッツを大切にしてほしい」と話す。

一方で、世界への思いは募った。「高校、大学、社会人チームを経て、世界大会に行くことはできませんでした。次の目標として、自身が本場アメリカでチアの最高峰にチャレンジしたいと思うようになりました」。大学院の修士論文で日米のチアの歴史を調べた際、NFLのチアが米国内での災害時に炊き出しに出向いた活動などに感銘を受けた。

各地でボランティアを行う
各地でボランティアを行う

2016、17、19年とNFLのオーディションに挑戦したものの、ファイナルで敗退。1度は断念したが、再奮起した。5月にラスベガスで開催予定のNFLレイダースを再受験する。パワフルでダイナミックなダンススタイルが自分に合っていると感じた。チームメートやディレクターは思いやりがあって好印象だった。3月末に渡米し、ダンスやトレーニングなどを行っている。「たくさんの人に支援いただいたので、周りの方に感謝と勇気を心から伝えられるように精いっぱい頑張りたいです」。4度目の挑戦で念願をかなえる意気込みだ。

厚木基地で国際交流イベントに出演した瓜生さん(中央)
厚木基地で国際交流イベントに出演した瓜生さん(中央)
厚木基地での国際交流イベントのもよう
厚木基地での国際交流イベントのもよう

◆瓜生桂(うりゅう・かつら)横浜出身。横浜隼人中バトン部-横浜隼人高ソングリーディング部-東海大学体育会ソングリーダー部。東海大ではチアの軸となるボランティア精神を鍛えるため、秋田から沖縄までの各地で地域貢献活動も行った。神奈川県を拠点とする社会人チーム「ラフィネス」を創設し、2012年全日本チアダンス選手権の一般編成POM部門で準優勝。