新企画「アスリートの視線~GoPro動画より~」の第5回は、レスリング男子の高谷惣亮(30=ALSOk)にカメラが最接近する。

パワー自慢の海外勢うごめく男子フリースタイル86キロ級で渡り合うために体得した独自の「カウンタータックル」。3度目のオリンピック(五輪)挑戦となる東京大会でメダルがかかる男子の顔役が自ら解析する。

タックルにきた相手をかわして背後に回り、ポイントを得る技術がカウンター。そのオリジナルさはまず組み手から。バランスを崩し、攻め気を探る立ち技の攻防。そこであえて相手を握らずに、いなすように力を受け流す空手仕込みの技術(その(1))、次にわずかにステップを踏んで力を正面から受けずに回転軸の動きでかわす技術(その(2))、最後に密着しながら滑らかに後ろに回り込む技術(その(3))。複数のアングルからそのテクニックを捉えた。

【取材・構成=阿部健吾】

◆高谷惣亮(たかたに・そうすけ)1989年(平元)4月5日、京都府生まれ。小学校時代は空手で黒帯取得も、兄弟の影響で中学1年で本格的にレスリングを開始。網野高では総体優勝。拓大時代の11年全日本選手権で初優勝すると、19年まで9連覇。ロンドン五輪16位、リオデジャネイロ五輪7位。14年世界選手権では74キロ級で銀。五輪を含めて同級での日本勢のメダルは18年ぶりだった。177センチ。

GoPro企画「レスリング」男子フリースタイル86キロ級の高谷(左)
GoPro企画「レスリング」男子フリースタイル86キロ級の高谷(左)