斉藤仁

優しくほほ笑む斉藤仁さんの遺影
優しくほほ笑む斉藤仁さんの遺影

「稽古行け」が最後の言葉だった。最愛の息子たちに力を振り絞って言った。長男が「お父さん、ありがとう。教えてくれたことは全部覚えている」。次男は「お父さん、オレ頑張るから。お父さんみたいに強くなるから」。意識の薄れる中、きっと届いた。国民栄誉賞に輝いた山下泰裕。その陰に隠れた斉藤仁。日本柔道を支え、強化したのはこの2人と言っていい。1月20日、54歳肝内胆管がんで死去。3月15日に行われた「お別れの会」。座右の銘「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)」が祭壇に飾られた。ある日、記者に語った「別に目立たなくてもいい。分かってくれる人が、分かってくれれば。それが、男ってもんじゃないの」。男がしびれるカッコいい言葉だ。

(/_;)

<柔道・2015年1月20日掲載>