小坂秀二(元TBSアナ)

1960年の春場所千秋楽、大相撲史に残る史上初の横綱同士の全勝対決が行われ、若乃花が栃錦を寄り切りで下し優勝した
1960年の春場所千秋楽、大相撲史に残る史上初の横綱同士の全勝対決が行われ、若乃花が栃錦を寄り切りで下し優勝した

大相撲「栃若時代」を築いた2大横綱――栃錦と若乃花。1960年春場所の千秋楽、両横綱とも負けなしで迎えた史上初の楽日全勝相星決戦。大阪府立体育館は異様な空気に包まれた。日本中がテレビ、ラジオの中継に固唾(かたず)をのんだ。軍配が返る。両者ガップリ左四つ。死力尽くした大熱戦も寄り切って若の勝ち。全盛時にTBSが2人にインタビューした。「若関が栃関を指して『相撲がうまいのがこっち』、栃関が若関を指さして『相撲が強いのがこっち』と言い合った」と小坂アナが証言する。そこで飛び出したのが上記の名言だ。2人は納得した。全勝対決が行われた年の夏場所、栃錦が引退する。大相撲史に残る大一番は「柏鵬時代」へと受け継がれていった。(^o^)

<大相撲・1995年3月30日掲載>