東京オリンピック(五輪)チケットの当選結果が20日に発表された。当たって喜ぶ人もいるが、外れて残念がる人も。大会組織委員会は「今後の販売戦略もあるので」と販売枚数や当選倍率など一切明らかにしていないが、周囲には「なんだよ。ちっとも当たらないじゃないか」と毒づく友人が多かった。

「狭き門」だったことは間違いない。チケット申し込みのための大会ID登録者は約750万人もいた。チケット総数は招致段階で780万枚と、ほぼ登録者と同じ。登録者全員が1人10枚申し込めば、単純計算で当選確率は10分の1。最大の30枚申し込んだとすれば、30分の1になる。

今回は国内一般用で、実際に販売されたチケットは海外分やスポンサー分などを除くもの。過去大会の例では7~8割と言われている。さらに、開閉会式や陸上、競泳の決勝など人気競技に申し込みが集中したことで、倍率は高くなった。「宝くじ並み」とまではいわないが、当たりにくかったことは間違いない。

「もう、いいよ。東京五輪なんか見にいかない」と怒り交じりに言い放つ友人を「まあまあ、そう言うなよ」となだめる。「2次募集はあるの?」と聞かれるなど、今回の抽選がチケット確保の唯一の機会だと思っている人は多い。だが、販売は第1弾が終わっただけ。まだチャンスはある。

秋以降には、先着順販売が始まる。すべての国内一般向けのチケットが抽選販売の対象だったため、基本的には売れ残りが対象になる。もっとも「今後の販売状況や席の配分を再検討するなどで、新たなチケットが出てくる可能性はある」と組織委員会。意外な「人気競技」が販売されるかもしれない。

さらに、来春以降は窓口での一般販売も始まる。ここまでに残ったチケットのみの扱いになるが「何でもいいから五輪を見たい」という人にとっては、貴重なラストチャンスになる。

また、来春以降には「公式リセールサービス」もある。転売を厳しく禁じられているチケットだが、何らかの理由で行けなくなった場合に公式にリセールされるというもの。開閉会式などとんでもない掘り出し物が見つかる可能性も0ではない。

ただ、今回サイトがパンクしたように、先着順販売や公式リセールには、希望者が殺到する可能性が大。単純に先着順にするのか、何かしらの対策を講じるのか、今後検討される。世界選手権など単独競技の国際大会にはない魅力がある五輪。競技だけでなく、周囲の盛り上がりなども一見の価値はある。子どもなら、数十年後も胸を張れる経験になるはずだ。「どうしても五輪が見たい」なら、次のチャンスにかけよう。【荻島弘一】