8月29日に開幕した自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」は、大会中の新型コロナウイルス検査でスタッフに陽性者が出た複数の強豪チームが除外される可能性が浮上し、動揺が広がっている。あるチームの監督は「これ以上、選手やスタッフにストレスを与えるべきではない」と、大会のウイルス対策の在り方に不満を述べた。

今大会は、新型コロナ対策として「7日以内にチームから2人以上の陽性者が出た場合は、そのチームを除外する」との規定が設けられた。大会最初の休息日(9月7日)に合わせて行われた一斉検査で、昨年総合優勝のエガン・ベルナル(コロンビア)が所属するイネオス・グレナディアーズなど、総合優勝争いの上位選手がいる4チームの4スタッフの陽性が確認された。

大会主催者は9日、この4チームは次の休息日(14日)に合わせて実施される検査で新たな陽性者が出れば、チーム全体が除外されると説明。実際にそうなれば、その後のレースは大きな影響を受けることになる。

ある選手は専門誌の取材に「どの選手も、レースから除外されるリスクが片時も頭から離れない状態だ」と打ち明ける。自分が陰性でも“連帯責任”を問われるシステムは、選手にとって精神的負担が大きい。

一方、規定に「7日以内」とあり、次回検査では前回の陽性者はカウントされないとの指摘も出ている。ロイター通信によると、関係者は「主催者はフランス保健当局との協議次第で解釈を変更するかもしれない」と話しており、検査結果によっては規定運用を巡って大会が混乱する可能性もはらんでいる。(共同)