<ジロ・デ・イタリア:UCIヒストリカルレース>◇19日◇第10S◇クネオ~ピネローロ=山岳◇262キロ

 ダニーロ・ディルーカ(33、イタリア=LPR)が残り5キロとなった第3山岳の長い急勾配の下りでアタックをかけ、デニス・メンチョフ(31、ロシア=ラボバンク)ダビ・アロヨ(29、スペイン=ケースデパーニュ)カルロス・サストレ(34、スペイン=サーベロ)ら追走集団の追随を許さず、2位フランコ・ペリツォッティ(31、イタリア=リクイガス)に10秒差の独走でゴールを駆け抜けた。総合では2位デニス・メンチョフ(31、ロシア=ラボバンク)との差を13秒から1分20秒まで広げ、マリア・ローザを守った。

 ディルーカは「このコースは私向きだった。それに(第10Sは)まるでワンデークラシックのようなとても長いコース。休息日でしっかり回復できたことが良かった。昨日は2回、最後のダウンヒルをチェックしたよ」と話すように、万全の体勢で臨んだ結果だった。「これまでよりタイム差を広げられた。満足している」と、この日の勝利を喜んだ。

 2日前、ディルーカは集団を途中で止め、ミラノ市内のコースの危険性を訴え、レースディレクターのアンジェロ・ゾメニャン氏を激怒させた。だが、ディルーカは「もうアンジェには笑顔が戻っているよ。最後のローマまで平静でいられるだろう」と話した。

 ディルーカはこの日も「Forza

 Abrusso」(イタリア語で「頑張れ

 アブルッツォ」)と書かれたジャージを着ていた。故郷のイタリア中部のアブルッツォ州は4月に地震が発生し300人近くが死亡、5万人余りが家を失っていた。「今回の私の使命はピンクジャージ(マリア・ローザ)を着てローマに帰ることだ。そしてアブルッツォに戻り喜びを分かち合いたい。それが私ができることだ」と、優勝することで故郷を力づけたいとしている。