<自転車:ツール・ド・フランス>◇第10ステージ◇14日◇ミュールーズ〜ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ◇161キロ

 2度総合優勝し、今大会も優勝候補だったアルベルト・コンタドール(31、スペイン=ティンコフ・サクソ)が落車し、右すねを骨折。リタイアした。

 ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)がいるメーン集団にいたコンタドールは、残り95キロ付近の1級山岳プティバロンの下りを時速60キロでダウンヒルしている際に転倒。右足の膝から出血していたため、自転車を降りてその場で治療を受け約4分後に再スタートした。

 メーン集団は一時ペースを落としたが、逃げ集団に総合6位のミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド=オメガファルマ・クイックステップ)が入っていたため、集団をコントロールしていたアスタナもやがてペースを元に戻した。

 落車直後に3人がアシストに戻ってきたコンタドールは、メーン集団への復帰を目指し次の1級山岳プラツェルバゼルを上り始め1分以上詰めたが、霧が立ちこめる下りで再び遅れ始めた。そして、痛みが激しくなったのか、残り80キロ付近で自らチームカーを呼び、リタイアすることを決めた。

 今大会の最大のライバルだったニバリは「戦う準備はできていた。残念だ。今日は危険が満ちあふれいていた。自分は右側にいたが、幸いにも彼の転倒を避けることができた。急勾配で路面状態も良くなかった」と話した。

 コンタドールは前日までトップから4分8秒遅れの総合9位に付けていた。

 これでマーク・カベンディッシュ(英国=オメガファルマ・クイックステップ)、クリストファー・フルーム(英国=チームスカイ)、アンディ・シュレク(ルクセンブルク=トレックファクトリー)に続き、大会の主役がツールを去ることになった。