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2005年のライスボウル

松下電工 26 7-0
3-0
3-0
13-7
立 命

松下が立命を圧倒して10年ぶり2度目の王座

<アメリカンフットボール:ライスボウル>◇05年1月3日◇東京ドーム

 松下電工が10年ぶりに日本一の座を奪回した。強力な守備陣が3連覇を狙った立命のショットガンオフェンスを粉砕。キックオフリターンによるTD1本だけと、守備陣は完ぺきに立命の攻撃を封じ込んだ。攻撃でもFGで確実に得点を重ね、26-7と完勝した。松下電工は94年度以来、2度目の日本一。MVPにはDB野村昌弘(33=関学)が選ばれた。

  まるで子供を抱き締めるように、銀色に輝くトロフィーを胸に抱いた。MVPに選ばれたのは33歳のDB野村。「9年前に(ライスボウルで)負けてからこの日を夢見てきた。生きててよかったというか、フットボールをやってきてよかった。今日はホンマに幸せです」とかみ締めるように言った。

 「おっさんの底力」を学生王者に見せつけた。村上監督は「おっさん連中が、最後までよく走ってくれました」と笑う。10年前の日本一を知るおっさんたち。それが35歳のDL脇坂とRB粳田、そして野村の3人だ。頂点に立った喜びを知り、その後は壁に阻まれ続けた屈辱の歴史を知る。「もう1度、日本一になりたいという思いだけでやってきた。この9年は長かった」と口をそろえる。その気迫は立命を圧倒した。

日本一に輝きトロフィーを手に笑顔を見せる松下電工の選手たち

 「何でボクがMVPなのか。DFみんなで止めた。みんなの勝利です」と野村は声を張り上げた。最強の守備陣は、日本一を決する舞台でよりすごみを増していた。DLの鋭いラッシュが立命のOLを押し込み、プレッシャーをかける。繰り出されるスペシャルプレーも、まるで横綱相撲で受け止めて防ぐ。インターセプトも4本を数え、立命のショットガンを破壊した。「立命の攻撃システムに対し、短期間で止められた。準備の勝利」と立命OBのDL山中は胸を張った。

 「選手には発奮させる意味で『死んでも負けられない』と話していた。だがボク自身、昨日の夜まで不安だった。今はホッとしてます」と村上監督は言った。社会人は学生に3連敗中。屈辱の歴史にピリオドを打つ責任も果たし、大きな仕事をやり遂げた安ど感は隠せない。創部30周年の年に記念すべき日本一。「来季も同じ結果が出せるよう頑張りたい」。おっさんと若手をうまく束ねた指揮官は、連覇に照準を定めた。【実藤健一】



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