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2003年の甲子園ボウル

立 命 51 14-0
13-7
17-0
7-7
14 法 大

立命、法大に61得点の圧勝で連覇

<アメリカンフットボール:甲子園ボウル>◇03年12月21日◇甲子園

 立命が2年連続4度目の学生日本一に輝いた。法大を攻守に圧倒して61-6。61得点は史上3位、55点差は同2位の記録的勝利だった。ラン主体の攻撃の中心になったRB岸野公彦(3年)がMVPを獲得。また、QB高田鉄男(4年)は史上3人目の2年連続ミルズ杯(年間MVP)に選ばれた。立命大は来年1月3日、ライスボウル(東京ドーム)でオンワード・スカイラークスと戦う。

 戦いが終わっても夢中で走り回っていた。「本当にうれしい。レシーバーが警戒されてたので、ランでゲインできたことが大きい」。MVPの岸野は自らの働きを満足げに振り返った。最初の攻撃で5分19秒、5ヤードの先制TDラン。第1Q14分17秒にもエンドゾーンに走り込み、計73ヤード、2TD。ボールを持てば白とオレンジの法大守備網を小気味よく、すり抜けた。

 昨季の日本一を支えた礒谷主将、野本の看板RBが抜けた。岸野は「あの2人がいないからと言われたくない」の一心だった。試合後は真っ先に外野スタンドの先輩2人に駆け寄った。昨年の51点を上回る史上3位の61点なら誰にも文句は言わせない。守備も完封は逃したが、わずか1TDに抑え、史上2位の55点差を演出した。

ミルズ杯に輝いた立命QB高田鉄男

 立命は「楽しいフットボール」を目指してきた。常勝を義務付けられたチームには似つかないが、猛練習の中でも笑顔と冗談を絶やさない。「だって楽しまないと損だから」。岸野の言葉が全てを物語る。選手は私生活でも仲がよく、主力は滋賀・草津市内の同じマンションで暮らす。たまり場のQB高田の部屋は菓子などが散らかり、片付くヒマもない。関学戦後のオフには気の合う同士で1泊2日有馬温泉旅行で息抜き。真剣の中の「遊び」が、抜群の結束力とフィールドでの連係を生んだ。

 WR冷水は「目をつぶっててもルートが分かる」と笑う。一方で高橋は「止めるのが当たり前と思われ、1ヤードやられただけでも『何クソ』と思うようになった」と話す。勝ち続けることで全員の意識が高まった。勝って当然とされた甲子園ボウルの重圧は、笑顔とプライドで乗り越えた。

 さあ次はライスボウルだ。古橋ヘッドは試合後のハドルで全員を前に叫んだ。「王者としての誇りをもってやっていこう!」。最強伝説には、2年連続日本一というエピローグが、まだ残っている。【柏原誠】



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