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2004年のXボウル

松下電工 15 3-0
9-3
3-3
0-0
アサヒビール

松下電工、9年ぶり4度目の社会人日本一

<アメリカンフットボール:ジャパンXボウル>◇04年12月18日◇東京ドーム

 松下電工が悲願の「Xリーグ王者」に就いた。アサヒビールとの決戦。少ないチャンスを生かして先手を奪い、鉄壁の守備陣で守り抜く得意パターンに持ち込み、15-6の接戦を制した。松下電工は9年ぶり4度目の優勝。Xリーグに移行した96年からは決勝で3連敗していたが、ついに壁を乗り越えた。MVPには3FGを決めたK太田雅宏(29=関学)が選ばれた。今日19日の甲子園ボウルで決まる学生王者と来年1月3日、日本一をかけてライスボウル(東京ドーム)に挑む。

 残り20秒をじっくりと楽しんだ。95年を最後に9年も味わえなかった歓喜の瞬間。松下電工の青いユニホームは、ハドルから全員が手をつないだ輪となり、思い切り弾け飛んだ。ベテラン、若手が融合し、一体となって優勝をつかんだチームの和が凝縮されていた。

 「先行逃げ切り」の電工ペースを作り上げた。1Q7分過ぎに太田が47ヤードの先制FG。2Q3分25秒には、35歳のベテランRB粳田が中央突破で13ヤードのTDランを決めた。あとはアサヒビールの猛反撃を必死にしのぐ。35歳のDL脇坂がライン戦で歯を食いしばって踏ん張り、勝負所の4Q終盤には、24歳のDB仲田がインターセプトでアサヒビールの息の根を止めた。

 阻まれ続けた巨大な壁をようやく乗り越えた。「要因? 若い選手が積極的に自分の考えを取り入れるようになり若手と年寄りが、うまくかみ合ったからだと思う」と脇坂は分析した。昨年も準決勝でアサヒビールに完敗。「このままじゃいかん」と先に目の色を変えたのは“年寄り”だった。「ライン戦でやられて死ぬほど悔しかった」という脇坂は体重5キロ増と筋力アップに成功した。RB粳田も1度は引退を申し入れ、撤回した。「負けて終われば悔いが残る。もう1度、日本一をとりたい」。

日本一になり記念写真におさまる松下電工チーム

 RB荒木主将は「あのおっさん(粳田)はすごいですよ。まだ10ヤードなら石野より速い」と言う。ベテランが沸き立たせるエネルギーに、若手も自然に絡まれていった。「おっさんたち」は94年度の日本一の喜びも知る。「もう1度」の思いが、チーム全体に浸透した。

 ひとつの目標をクリアし、ライスボウルで10年ぶりの日本一に挑む。社会人は学生に3連敗中。「学生におっさんの強さを見せつけてやります」。脇坂はニヤリ笑った。【実藤健一】



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