男子米ツアーの14~15年シーズンは先週に全日程を終了、参戦2季目の松山英樹(23=LEXUS)は、待望の米ツアー2勝目こそならなかったが、シーズン総合は昨季の28位を上回る16位と力を見せた。来週には世界選抜として米国選抜と戦う団体戦のプレジデンツ杯(韓国)に出場。松山の成長と現状を、専属キャディーの進藤大典(だいすけ)さん(35)が語った。

 シーズンが終了して、優勝できなかったことは本当に残念ですが、よかったことはたくさんあります。総合順位や部門別データなど多くの面で、前年の成績を上回れたことです。

 「ウサギとカメ」じゃないけど、ジョーダン(スピース)は22歳でメジャー2勝して年間王者になって、世界ランク1位に上り詰めた。それは誰もが望む姿でしょう。でも、1歩1歩ステップアップすることで、なかなか崩れにくいものを築けることがあると思います。今の英樹はそれをつくっている段階。もう少しでジョーダンやマキロイ、J・デーと張り合える位置にいけるはずです。今は焦らずに、やるべきことをやる時期なのでしょう。

 数字には表れにくいですが、昨季の経験が生きました。シーズンの流れも分かっていたし、日程の組み方や気持ちに昨季よりもゆとりがあった。最終戦のツアー選手権はどうしても出たい大会で、プレーオフ2戦目までは出場権獲得に油断ができない位置でしたが、「どれだけのプレーをすれば出場権が決まる」という感覚を感じ取れたので、ストレスは少なかったです。飯田光輝トレーナーの頑張りで、英樹は1年通じて故障なく戦えました。「チーム松山」としても、底上げができた1年です。

 来週はプレジデンツ杯です。これは楽しみ以外ありません。世界選抜と米国選抜がプライドをかけたガチのマッチプレー。ダブルスもあり、普段から仲よしであり、ライバルでもあるA・スコットやJ・デーと組むこともあるかもしれません。個人戦とは違う新鮮さがあるので、楽しみにしてください。そして15日には早くも新シーズンが開幕します。疲れがないと言えばうそになりますが、それはみんな同じです。またゼロからのスタートです。(2015年10月1日付紙面掲載)