どーもです。キャロウェイのニューモデル「MAVRIK」シリーズを試打できましたが、今回打てたのは「MAVRIKサブゼロ」のドライバー&FWおよび「同プロ」のUT&アイアンと「MAVRIK MAX」シリーズです。主たるシリーズは試打クラブも業界各社を回っているようで、手配でき次第となりました。というわけで、3つのラインとしては最も難しいと思われるサブゼロと最も扱いやすいと思われるMAXを先にお届けすることになりました。では早速、「MAVRIKサブゼロ」ドライバーからいってみましょう。


この「MAVRIK」シリーズですが、メーカー的にはうたっていませんが、どうやら「ROGUE」シリーズの後継モデルのようです。「EPICフラッシュ」シリーズで採用されたAIによって開発されたフェースをさらに進化させた「FLASHフェースSS20」を搭載。“芯を外しても飛ぶ”をうたっています。高初速エリアがさらに拡大しているようですね。新製品発表会ではそのフェース内部も披露されていると思いますが、ボクはいけていないので見たことがありません。キーポイントはそこですが、そのほかにもフェースの素材が変わっていたり、ボディ形状も変わっていたりです。


今回オリジナルモデルがないということで、初代AI開発フェース搭載モデルの「EPICフラッシュ サブゼロ」ドライバーを比較対象にします。


ソール後部でウエート位置をコントロールできる「ペリメーティブ・ウエィティング」は搭載されていませんでした。非搭載のサブゼロとしては「ローグ サブゼロ」以来かな。フェース後部とソール後部にウエートを搭載していますが、前者が2g、後者は14gとなっていました。もはや定番になった「JAILBREAK」も当然採用しています。

フェースはやや小振りかな。でも〝難しい〟と感じるほどではなかったですね。形状的にはほぼ同じかと思われます。

ボディはシャローでもディープでもなく、ちょうど良い感じ。オリジナルシリーズの形状は変わっていると聞いていますが、少なくともこのサブゼロの形状は「EPICフラッシュ サブゼロ」と大きく変わってはいない印象でした。

後ろ姿です。

構えてみるとこんな感じ。やや小振りの450cm3ですが、言われなければ気付かないレベル。クラウンの投影面積も違和感のない大きさです。フェース面の丸いプリントがハッキリ認識できて、打点に集中できそうですね。当たるかどうかは別問題ですけど・・・w

今回試打したのは、オリジナルカーボンシャフト「ツアーAD SZ-5タイプII」Sフレックス装着モデル。スペックは、ロフト角10.5度、ライ角56.0度、長さ45.75インチ、総重量306.5g、バランスD4。ヘッド体積450cm3。シャフトスペックは、重量53g、トルク5.9、中調子。

試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用。


持ってみた感覚ですが、重量的には意外でしたがやや軽め。サブゼロシリーズはやや重めに設定しているモノが多かったので、これは意外でした。でもグリップは極太!! 太めのグリップが好きなボクでも「太っ!!」と思うほどでした。シャフトを手でしならせてみると、Sですが柔らかめ。中調子をうたっていますが、しなりポイントは中間よりも先辺りでした。ワッグルしてみると結構ヘッドが動くイメージ。素振りしてみても、やはりヘッドが走りそうな気配でした。


実際に打ってみると、第一印象はサブゼロらしいスピン量少なめの棒球を打ちやすいということ。「EPICフラッシュ サブゼロ」でやっとボクレベルでもサブゼロを打てそうな雰囲気でしたが、この「MAVRIKサブゼロ」も球がしっかり上がりますね。打ち出し角的には16度台なので、まずまずかと思います。ただし、つかまりは今ひとつです。「左を気にせず叩ける」のがサブゼロのコンセプトですから、オートマチックにつかまってもそれはオリジナルモデルとやればいいわけですが、それにしても今ひとつです。ヘッドが走る印象が強いわりには、つかまりは今ひとつで、つかまりを意識するとボクの場合フック、腐れフックも出てしまいました。そういう意味でのシビアさも否めませんが、まあその辺はサブゼロですからね!


そうそう肝心な〝芯を外しても飛ぶ〟ですが、ぶっちゃけてしまえば、そんなことはありません!! 実際に打点シールを貼って確認したわけではありませんが、当たり所が悪ければスカイトラックで220yと230yとかもあります。でも比較的芯が広めなのは事実。「んっ!? 今のは外したわ~!」と感じたショットでも245y以上をマークしていたことを付記しておきます。


スカイトラックの弾道はこんな感じで

その各球データはこちら。

【3球平均】

HS42.3m/s、初速61.4m/s、打ち出し角16.6度、バックスピン量2075.2rpm、サイドスピン-421.0rpm、飛距離249.1y

【ベスト】

HS42.3m/s、初速61.4m/s、打ち出し角16.8度、バックスピン量2072.9rpm、サイドスピン-208.0rpm、飛距離251.0y


打感はマイルド! これ気持ちいいです。フェースに乗っている感覚を味わえます。高初速エリアがどの辺までかは分かりませんが、いわゆるトゥヒットやヒールヒットでは硬さが増すので、打点が分かりやすいモデルにも感じました。音は心地良い中高音系でした。


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックデータはこちら。

弾道的には高弾道。球は上がりやすいと思います。ただし、サブゼロとしては、としておきます。スピン量も少なめですね。もちろんこれはサブゼロの代名詞でもありますよね。当たり所によっては2000rpmを切るショットもありましたし、結果として「ドロップしてる!?」と感じたショットもチラホラでした。


出球傾向は、ボクのスイングでドロー系。決してつかまりがいいモデルではないので、つかまえようという意識が働いてしまうと腐れフックも出ました。スイングでしっかりつかまえられる方向けは間違いないでしょう。


シャフトフィーリングと振り感ですが、これまでサブゼロに装着されていたデフォルトモデルのイメージからすると、かなり柔らかめに感じました。前記通り、中調子をうたっていますが、ボク的には先中調子系もしくは先調子系の動きに感じました。というのはつかまえようと意識するとかなりヘッドが加速する感じでした。しなり戻りにややピーキーさがあったかなと。サブゼロというシリーズの性格を考えれば、もう少しヘッドの動きを抑えてもいいかな・・・なんて感じてしまいました。


今回ボクが試打した限りでは、このスペックでHS40~42m/s以上におすすめ。スイングでナチュラルに球をつかまえられるタイプ向けは間違いないと思われます。より高初速エリアが広くなっているのも体感できました。それをアマチュアのボクレベルでも感じられるモデルでした。オリジナルモデルをまだ打てていませんが、少なくとも「MAVRIK」が掲げる「高初速エリアの拡大」は感じられました。でも、ボクとってサブセロはスピン量が少なすぎ。ドロップボールもチラホラでした。加えてこのシャフトだと最近、ドライバーでは影を潜めていた腐れフックもちょいちょい顔を出しました。個人的には、使うならシャフトを変える、もしくは他のカスタムシャフトにする必要があるかな・・・なんて思いました。


<キャロウェイ「MAVRIKサブゼロ」ドライバー>

■KAZ’sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:9.5▽上がりやすさ:8.5▽操作性:9▽構えやすさ:9▽打感の柔らかさ:9▽ミスの許容度:8

■ヘッド:ボディ=811チタン+トライアクシャル・カーボンクラウン+スクリューウエート(フロント2g、バック14g) フェース=FS2Sチタン

■シャフト(重量/トルク/調子):「ツアーAD SZ-5 タイプII」(S=53g、SR=51g/5.9/中調子)。「ツアーAD XC-6」(R=64g/3.2/中元調子)。「Speeder EVOLUTION VI 661」(S=65.5g/3.9/中調子)。「Diamana ZF60」(S=64.5g/3.8/中元調子)。「TENSEI ORANGE CK PRO 60」(S=63.5g/3.5/手元調子)。

■価格:「ツアーAD SZ-5 タイプII」装着モデル1本7万7000円+税。「ツアーAD XC-6」「Speeder EVOLUTION VI 661」「Diamana ZF60」装着モデル各1本9万4000円+税。「TENSEI ORANGE CK PRO 60」装着モデル1本10万4000円+税。※数量限定