2年連続賞金王の今平周吾(29=ダイヤ)が、アベ80台を目指すアマチュアゴルファーにヒントを伝授する「ゴルフステップアップ 今平周吾 賞金王の技」。元ロッテ捕手で現在本紙評論家の里崎智也氏(45)を生徒役に、今より1歩上を目指すアマチュアにアドバイスを送ります。今回は、コースマネジメント編として、飯能グリーンカントリークラブのバックティー&ベントグリーン使用の2番ホール615ヤードを舞台に、ロングホールの攻略法を聞くとともに実際にラウンドしてもらった。(以下敬称略)

※動画はさらに高度な今平プロのレッスンです。

レッスンの舞台となった飯能グリーンCCの2番ホール、615ヤード
レッスンの舞台となった飯能グリーンCCの2番ホール、615ヤード

アベ80台を目指すのであれば、ロングホールでは確実にパーをセーブしたいところ。あわよくばバーディーも…。だが、そんな“欲”が力みを生み出し、普段通りのスイングを乱す要因にもなる。ここは距離が長い上に、グリーンまでずっと緩やかに打ち上げで、さらに右サイドはOBだ。

距離が長くても、力まず、いつも通りスイングしましょう
距離が長くても、力まず、いつも通りスイングしましょう

里崎 まず距離が長い! 3オンできれば十分でしょう。ティーショットは、僕だったら左のバンカー方向を狙います。

今平 狙いはいいと思います。右OBゾーンは浅そうなので、左バンカー方向狙いでいいと思います。

右OBで左は谷。このような状況で気を付けることは?

今平 距離が長いと力みやすくなるので、まずは力まないこと。普段通りのスイングを意識することが大切だと思います。あと、ここの最悪はOB。おそらく左の谷までは落ちません。バンカーまで250ヤードですが、バンカーでもOKくらいの気持ちでいいと思います。

里崎氏チャレンジ、第1打
里崎氏チャレンジ、第1打
第2打、バンカー脱出
第2打、バンカー脱出

今平のアドバイスで放った里崎のティーショットは宣言通りバンカー方向。

里崎 上出来ですよ。仮に入っていても打てるからOKです。

結果はバンカーインで、残りはまだ350ヤード。里崎が手にしたのは6番アイアン。グリーン方向は、目の前の木の枝が掛かる状況。

今平 ここで最悪は木に当てることだけど、ほぼ当たる状況ですね。6番で木に当たらないように右に打つとOBまで行ってしまうし、距離を出そうとして木に当たるとどこに跳ねるか分からない。これは難しい状況なので、脱出優先にしたほうがいいかもしれません。

里崎 このバンカーは入れちゃダメでしたね。

里崎の2打目は6番で脱出ショット。これは脱出成功で、残り330ヤードフェアウエーからは3Wを選択。ナイスショットに今平も「完璧ですね」とにっこり。

里崎 力んでも距離は変わらないのに、距離が長いと力んでしまう。野球は来た球を打ち返すので相手の力を利用できるけど、ゴルフは自分で打たないといけないからね。

第3打
第3打
第4打、突っ込んでダフり
第4打、突っ込んでダフり

4打目は残り87ヤードフェアウエー。グリーン左にはバンカーが口を開ける。

今平 左バンカーはそれほど気にしなくていいと思うので、しっかりピンを狙っていきたいですね。

里崎の58度ショットはやや体がボールに突っ込んでしまうミスでダフリ。

里崎 ほら、悪いクセが出た!

5打目はピンまで30ヤードラフ。

里崎 58度で、イメージはグリーンエッジとピンの真ん中に落として転がっていく感じ。

だが、これもダフった。

里崎 こういうところですよね。これを減らせればスコアはまだまだ削れる。

6打目はピンまで17ヤードでカラーから50センチほど外。

里崎 これはパターですね。パターなら大けがはしない。

宣言通りのパター寄せは80センチほど手前。

里崎 ラウンドだったらこれをお先にするか、どうかだけど、僕はしない。

第5打、まさか連続ダフり
第5打、まさか連続ダフり
第6打、パター寄せ
第6打、パター寄せ

無事1パットで沈めたが、結果はダボ。

今平 ティーショットがバンカーに入って結果狙えなかったのは、初めてのコースだったら分からないので仕方がないと思いますが、グリーン周りはもったいなかったですね。

ロングホールの鍵はティーショットで力まないことになりそうだが、残り87ヤードからカップインまで4打を要した。スコアアップの鍵は結局ショートゲームの精度アップといえそうだ。

第7打、結果ダボ
第7打、結果ダボ

◆今平周吾(いまひら・しゅうご)1992年(平4)10月2日、埼玉県生まれ。08年埼玉栄高校1年の時、松山英樹らを抑えて日本ジュニアで優勝。翌年高校を中退して渡米。帰国後、11年にプロ転向。15年シーズンに初シード獲得。17年「関西オープン」で初優勝。今年9月のフジサンケイ・クラシックなど現在ツアー5勝。18、19年と2年連続賞金王を獲得。20-21年シーズンとなった今シーズンは9位で終了。165センチ、67キロ。

◆里崎智也(さとざき・ともや)1976年(昭51)5月20日、徳島県生まれ。鳴門工(現鳴門渦潮)-帝京大を経て、98年ロッテを逆指名しドラフト2位で入団。06年WBCで優勝。08年北京オリンピック(五輪)出場。オールスター出場7度。通算890安打、108本塁打、458打点。14年に引退、15年から本紙解説者に就任。YouTubeチャンネル登録者数は約42・2万人(3月現在)。ゴルフのスコアはアベレージ「85」。175センチ、94キロ。

◆取材・構成=川田和博

◆撮影=鈴木正人

◆協力=飯能グリーンCC(埼玉)