女子プロゴルファー永井花奈(23=デンソー)が「アベ100切り」のポイントを教えるレッスンです。今回はショートパットのコツです。絶対に入れたい1メートルほどのパットですが、意外と入らないアマチュアも多いはず。永井プロが実践している方法を紹介します。

こんにちは、永井花奈です! 今回は絶対に決めたい1メートルほどのショートパットのコツを紹介します。この距離の精度を高めることはスコアアップの近道。私が実践しているポイントを教えたいと思います。

まずはパッティングラインを読みます。これは先週紹介しましたよね! ラインが決まったら、ちょうど半分くらいか少しボールよりに通過点を設定しています。なぜ通過点を設定するのかですが、1メートルとはいえカップを目標にするよりも、より近い場所を狙うほうがブレが少なくなるからです。例えば30センチであれば、極端に曲がりそうとか、速いとか、よほどの条件でなければ、難しいと思う人はいないですよね。なので、芝の傷などのスパット(目印)を見つけて、そこを通過させるようにすることは、メンタル面でもいいと思います。私は必ずそうしています!

目印を見つけて目標にしましょう
目印を見つけて目標にしましょう

続いてストロークですが、以前紹介した通り、手打ちではなく、大きな筋肉を使ったストロークをしましょう。その上でバックスイングの大きさが大切になると思います。大きすぎると緩めてしまい、その結果フェースが開いたり、閉じたりのミスにつながります。また、小さいとインパクトが強くなってしまうミスにつながります。素振りでイメージした振り幅を、緩むことなくしっかりストロークすることが重要になります。

ストロークは緩まずしっかり
ストロークは緩まずしっかり

当たり前ですが、届かなければ入りませんよね。私はカップを20~30センチオーバーさせるイメージで打っています。ジャストタッチを推奨する方もいますが、その方が難しいと思うし、結果的にショートしてしまう傾向が強いと思います。

ピン(旗竿)は新ルールで挿したままでもOKになりましたよね。私はストレートラインは挿したままですが、曲がるラインは抜いています。極端な言い方かもしれませんが、1メートルくらいの距離であれば、フェースの向きさえ合っていれば入ります! ショートパットが苦手な方は、フェースの向きに注意してみてくださいね。


◆ショートパット、本当にOK? 興味深い実験結果があります。米国の大学が行ったプロ(フィル・ミケルソン)とハンディ15のアマチュアのパッティング成功率の実験ですが、3フィート(約91センチ)を99%決めるプロに対してアマチュアは74%、4フィート(約122センチ)94%に対して66%、5フィート(約152センチ)83%に対して54%だったようです。「1メートルなら入る」と思いがちですが、アマチュアは10回に3回は外しているということに。1メートルほどで「OK」を出している方も多いですが、レベルアップを考えれば打つべきかもしれませんね。もちろん、プレーファストを意識して!


◆永井花奈(ながい・かな)1997年(平9)6月16日、東京都生まれ。アマチュア時代は12年「ロレックスジュニアゴルフチャンピオンシップ」12~14歳女子の部で優勝。13、14年「関東女子ゴルフ選手権」を連覇。16年7月、プロテスト合格。17年に樋口久子・三菱電機レディースでツアー初優勝を果たすと、賞金ランク20位に入りシード権を獲得。昨年も36位で3年連続のシード権確保。所属はデンソー、契約クラブはヤマハ、ボールはタイトリスト、ウエアはMARK&LONA、シューズはecco。趣味は映画観賞。155センチ。


◆取材・構成 川田和博

◆撮影 狩俣裕三

◆協力 飯能グリーンCC(埼玉)