19年の日本女子ツアー日程を発表する日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長(左)。右は原田香里副会長(2018年12月18日撮影)
19年の日本女子ツアー日程を発表する日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長(左)。右は原田香里副会長(2018年12月18日撮影)

ゴルフファンにとって、まずは安堵(あんど)の決着だっただろう。

昨年12月18日の19年ツアー発表時に日本女子プロゴルフ協会(LPGA)が1度は中止と発表していた3試合の継続決定は朗報だった。今年に入ってLPGAと主催者が再交渉をはじめ、大会継続で合意。KKT杯バンテリンレディース(4月19~21日・熊本空港CC)、中京テレビ・ブリヂストンレディース(5月24~26日・中京GC石野C)、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子(9月27~29日・利府GC)の継続が25日に正式発表された。

昨年と比較し、19年ツアーは1試合増の39試合。37億3836万円だった賞金総額は39億4500万円となり、7年連続で過去最高額を更新した。また同ツアー発表時にLPGAウィメンズ選手権(仮称)として発表されていた国内メジャー戦も昨年までと同様、日本テレビ主催のワールド・サロンパス・カップとして5月9~12日、茨城GCで開催されることも同時に発表された。ゴルフファンも胸をなでおろしたに違いない。

LPGAが目指す放映権一括管理の方針に合意できなかったとして同3大会の中止が発表された後、主催者となる日本テレビ、同系列局には選手約70人の連名による開催存続を求める「要望書」やスポンサー、地元ゴルフ関係者らの開催継続の声が届いた。もともと主催者は1度も中止と発表しておらず、粛々と開催準備も進めていたという。「選手ファースト」「ファンファースト」を重要視し、放映権の協議を棚上げした形で契約を結んでいた。

気になる話を耳にした。今回、表面化したのは日本テレビ系列局の大会のみだったが、ツアー関係者は言う。「日テレ系列局の試合だけでなく、15~16試合の主催者とは放映権について継続協議になっています」。LPGAと主催者は1年ごとの契約。放映権に関し、両者が納得できる着地点を見いださなくては同じ問題が再燃する可能性が20年以降に残っている。

年間試合数や賞金総額の増減はゴルフ人気の指標の1つと言えると思う。やはり「減少」「中止」という言葉は世間的にもマイナスイメージを与えやすい。開幕から毎週のように大会が開催されるある今だからこそ、数試合が「中止」と再び発表されるような事態は回避してほしい。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)