23歳の若手が秋の北海道で自信を深めた。17日までの4日間、北海道北広島市の札幌ゴルフ倶楽部輪厚コースで開催されたANAオープンで、ツアールーキーの前田光史朗(23=フリー)が大会を大いに盛り上げた。

通算17アンダーでプレーを終え、これまで最高の2位タイ。初優勝には手が届かなかったが、44歳の谷原秀人と終盤、優勝争いを演じてみせた。少し唇をかみながら「悔しさ6割、ここまでやれたといううれしさが4割、という感じですね」。しっかりと前を向いて、報道陣らの質問に答えた。

3日目を終え首位と5打差の11アンダーで9位だった。最終日は最終組の2つ前でスタート。1番から2連続バーディーで波に乗り前半4バーディー。後半11番から3連続バーディーとするなど、猛チャージをみせ、7バーディー、1ボギーの66と追い上げた。「ボードを全く見ていなくて、緊張もしていなかった。(テレビ中継の)カメラさんがついてきて、いい位置にいるのかなと。すごく楽しかったというか、やり切ったなというのが率直な感想です」。

15番まではノーボギーだったが、16番でこの日初のボギー。谷原と並んでいた最終18番、2打目をピンまで残り5、6メートルの位置につけた。下りのラインをうまく読んだが、バーディーパットはカップのわずか右を抜け、しゃがみ込んだ。「入ればよかったですけど、自分の中では100点のパッティングができた」と胸を張った。

00年生まれで、賞金ランキングトップを走る中島啓太や、蝉川泰果らと同学年になる。今季12試合目で初のトップ10入り。「今回の結果ですごく自信になりましたし、ルーキーの年なので、優勝争いができるだけでも良い経験になる。今回の結果を受け止めて、しっかり次につなげていきたい」。今季最後の北海道開催のツアートーナメントで、前田のゴルフが深く印象に残った。【山崎純一】

18番、バーディーパットを外しその場にしゃがみ込む前田光史朗(2023年9月17日撮影)
18番、バーディーパットを外しその場にしゃがみ込む前田光史朗(2023年9月17日撮影)