おはようございます。朝晩は冷えるくらいになってきましたが、日刊スポーツの朝活は寒くないですよ~。「せれにゃん塾」塾長の青木瀬令奈です。今週のテーマは「セルフマネジメント」。極めれば、ゴルフ以外にも役に立つはずです。

■大事なのはメンタル

「心技体」とあるように、ゴルフでも一番大事なのは心、メンタルです。私たちプロでも、練習ラウンドと本番では飛距離がまったく違います。心が定まっていなければ15ヤードくらい簡単に変わるものです。

心と体、脳と体は不安定。「心の重心位置」は、低すぎても高すぎてもダメ。あるべき場所にあって初めて集中できるのです。どこがあるべき場所かは自分で見つけるしかないのですが、落ち着かせるにはいくつかの方法があります。手軽にできるのは、深呼吸。気持ちが落ち着かなかったり、焦ったり、ストレスが大きくなると呼吸が浅くなります。深呼吸をすることでそれをうまく抑えられます。

私が小さい時からやっているのは、下っ腹を押さえてから構えること。こうするとゲームの流れをコントロールしやすい効果があると思っています。

構える前、おなかの下の部分を押さえる青木瀬令奈
構える前、おなかの下の部分を押さえる青木瀬令奈

畑岡奈紗選手が、アドレスに入る前にジャンプをするのは有名ですが、あれも「心の重心位置」を下げるひとつの方法です。ゲームの流れが悪い時や、気持ちがフワフワして地に足が着かないようなときなど、いつもと違う感じがするときには、物理的に重心位置を下げられます。

1ラウンドプレーするには、4~5時間かかるゴルフでは、起きた時から、いえ、前夜の食事から、自分との闘いが始まっています。スタート時間から逆算して練習、ストレッチ、朝食、起床の時間を考え、さらに前夜までさかのぼって就寝時間を決める。おのずとその前の食事の時間や内容も、自然に決まってくるものです。私たちプロの生活は、常にこうしたことが頭に入って動いています。

ゴルフが仕事ではないアマチュアの皆さんの場合、そこまではできないと思いますが、18ホールのゲームマネジメントが、極めて重要なことは意識してください。スマートな(頭のいい)ゴルフをするために、邪魔な要素をできるだけ排除することができれば「心の重心位置」はあるべきところに落ち着くはずです。目に見えない自分の心の中をコントロールするには、睡眠を十分にとってできるだけ疲労回復に努めたり、食事の量をコントロールするなど、心身をベストな状態に保つ努力をしましょう。せっかく自分を整えたのに、遅刻しそうになってあわてたりしてはすべてがぶち壊しになってしまいますよ。

◆青木瀬令奈(あおき・せれな)1993年(平5)2月8日生まれ、群馬県前橋市出身。実家は音楽教室で、瀬令奈は「セレナーデ(小夜曲)」から名付けられた。身長153センチ。ゴルフ好きの父について7歳でクラブを握る。小柄ながら小技が抜群で、2006年日刊アマ全日本女子に史上最年少の13歳で優勝。数々の実績をアマチュア時代に残す。11年プロ転向。17年ヨネックスレディースで初優勝。18年賞金ランキング31位。三和シヤッター工業所属。

◆取材構成=遠藤淳子(清流舎)

◆撮影=浅見桂子

◆取材協力=白水ゴルフ倶楽部(群馬・渋川市)