ちまたでは「効く」とうわさの「タケ小山のゴルフ即効薬~今週の処方箋」。今週もお薬飲んでいただきましょう。毎週火曜日の日刊スポーツで、あなたの街のプロゴルファー、タケ小山(53)がお届けしているバンカーの“お薬”シリーズ。今回は「バンカーをよく知ろう」です。さあ、覚悟はいいですか。

バンカーはハザード

その日の状況で違う砂のコンディション。足を踏み入れた感触で確かめるんですな~
その日の状況で違う砂のコンディション。足を踏み入れた感触で確かめるんですな~

 バンカーについて、アナタはどこまで知っていますか? バンカーってハザードなんです。分かっているでしょうか。ハザードというと池ばかり想像してしまう方が多いかもしれませんね。ウオーターハザードかラテラルウオーターハザードである池は、ボールが水に沈んでしまって打てないことが多いですが、同じハザードでもバンカーからは打てることがほとんどですね。

 でも、ハザードですから制限はあります。ソールすることができないし、木の葉などのルースインペディメントを拾い上げることもできません。でも、ハザードだと思えば、少し気が楽になりませんか? 英語ではサンドトラップ(sand trap=砂のわな)という表現をすることが多いバンカー。攻略するためには、バンカーそのものをよく知る必要があります。

 バンカーに入っていきながらいろいろ、観察しましょう。まずは砂質の特性を見極めます。バンカーに足を踏み入れた時、フカフカするような感じがするパウダー状の軟らかい砂なら、ボールは沈みやすくなります。目玉になりやすいということですね。打った時、砂が多く取れてしまうので飛びにくいという特徴もあることも覚えておきましょう。逆に粒子が粗いザラメ状の砂だと、ボールは浮きやすいので打ちやすいということです。


バンカー攻略の近道は砂を知ることですな~
バンカー攻略の近道は砂を知ることですな~

 次にチェックするのは砂の深さです。砂が少なければ浅いのでトップしやすい。多ければ当然、ダフりやすくなります。最低、これくらいの情報は把握してプレーしたいものです。

 砂の種類にもいろいろあります。海砂、川砂、硅砂(けいさ)赤土…。これ、重い順です。コースによって砂の種類は違うし、乾いているか湿っているかによっても変わってきます。

 要はクラブが入っていきやすいのか、はね返されてしまうのか。ライはどうなのか。そのあたりを見極める。さらにサンドウエッジのバンスのあるなしも考える。プロや上級者はそこまで考えているのです。まずは意識してみましょう。


今週の処方箋

Go to the beach!

【服用法】タケ小山が18年間、住んでいた米フロリダ州は、マイアミビーチもあれば、デイトナビーチもあるようなところでした。ビーチに行くように、バンカーショットをたくさん経験して、バンカーについてよく知ること。それが、バンカー攻略の第1歩です。砂場の砂だって、ビーチの砂だって、いろいろあるでしょう? あれと同じです。


 ◆タケ小山(こやま)本名・小山武明。1964年(昭39)7月7日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して89年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。07年に帰国し、日本ツアーに参戦。08年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。TBS系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。InterFMの「Green Jacket」(土曜午前5~8時)、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7~9時)などに出演。


◆協力 ザ・インペリアルCC(茨城県稲敷市)

◆取材・構成 遠藤淳子

◆撮影 山崎安昭