来季から米ツアーに本格参戦する石川遼(21=パナソニック)がリゾート都市の1億円豪邸を拠点に構えたことが18日、明らかになった。米西海岸のカリフォルニア州サンディエゴ郡のカールスバッドに5LDKの高額物件を購入したもので、来年1月中旬から「入居」する予定だ。既に購入済みの東海岸フロリダ州オーランドの物件とあわせ、東西ダブル拠点が決定。新天地でのスタートを控え、米ツアーメンバーとしての準備を整えた。(金額は推定)

 カールスバッドはロサンゼルス市から南に約140キロ、太平洋岸に位置するリゾート都市だ。米国内でも人気が高く、石川サイドが購入した5LDKの物件は中古ながら約1億円という高額なものだった。それぞれにベッドがある5部屋と広さ十分のリビング、ダイニングに加え、サブリビングやサブダイニングも完備されており、心身ともにリラックスできるスペースが確保されているという。

 当初はロサンゼルス近辺の物件も検討されていたが、カールスバッドになった決め手は練習環境にある。17日まで渡米して拠点を決めてきた石川の父勝美さんは「家から5~10分程度で、すぐに練習場に行けるような環境が必要だと考えていた。今回は近くに非常に良い練習場があったことが大きいです」と明かした。

 既に東海岸のフロリダ州オーランドのゴルフコース「ベイヒル・クラブ&ロッジ」にも同様の広さの物件を購入している。そのオーランドの物件よりも2倍近くの金額となるが、勝美さんは「1年間だけでなく、ここ2~3年が勝負だと思ったから」と長期的視点で決めたことを強調した。

 今季の石川は米シード権獲得のために日米を何度も往復した。その移動の影響で腰などを痛め、ホテル連泊でリラックスすることも難しかったという。また過去に米ツアー参戦した選手の状況なども踏まえ、勝美さんは「やはり気持ちを安らげる場所が必要。最初から良い環境を準備したかった」と説明した。

 石川は来年1月初旬に渡米を予定している。同中旬にはカールスバッドの拠点に入って米ツアー本格参戦に備える見通しだ。東西ダブル拠点という好環境を得て、念願の大舞台に本格参戦することになる。

 ◆石川の今後

 20日から沖縄合宿をスタートさせ、年末28日までトレーニングを積む。年明けの1月5日にはJGTO選手会の副会長として選手会総会に出席。キャロウェイのクラブ用具、ウエア契約の発表会見後、同10日前後に渡米予定。同15日ごろにカールスバッドに入り、同17日に開幕する米ツアー第3戦のヒューマナチャレンジ(カリフォルニア州PGAウエスト他)から本格参戦する見通し。

 ◆カールスバッド

 米カリフォルニア州サンディエゴ郡北部にあり、サンディエゴ市から50キロほど北の海岸線にある。19世紀末に採掘されたミネラルウオーターの成分がチェコのカールスバッドの水と同じ成分だったことが都市名の由来。ダウンタウンは古い建物が多く、アンティークショップが並ぶ。5キロ以上続くオーシャンサイドのビーチではサーフィンの大会も開催。観光リゾート、ショッピング、ハイテク産業の町とされる。