飯島茜(31=フリー)は師匠お墨付きのスイングで、5年ぶりの復活優勝を手にした。

 全美貞とのプレーオフ6ホール目。18番パー5で、残り92ヤードの第3打を50度のウエッジでピン前1・5メートルへ。しっかりバーディーを奪って、ロングバウトに終止符を打った。

 飯島は「やっとフルショットできる距離が残りました」という。前日夜に男子の永久シード選手、片山晋呉(42)から「自分から攻めず、まずフェアウエーに置いて、フルショットの距離が残った時だけ狙うように」と電話でアドバイスを受けており、その言葉を忠実に実践した。

 前回の優勝後、次々出てくる若手の勢いに危機感を感じて、片山に弟子入り。アウトサイドインのスイング軌道の修正に取り組んできた。今年1月中旬から約1カ月、タイ合宿を行った。炎天下で炎々と打ち込みに励み、特に前半2週間はアプローチから短いクラブでスイング作りを徹底した。7番アイアンを打っている時「突然、片山さんに教えてもえらっていることが分かった」という。タイから帰国後、片山の宮崎合宿に参加すると「別人だね。スイングはもう大丈夫」とお墨付きをもらった。

 一時は「このままじゃ引退」と考えた31歳だが、今は自信にあふれている。「よくなったスイングのグリップを同じにしてみよう」と思い、開幕前からパットのグリップもクロスハンドから順手に変え、それも奏功している。「35歳まではバリバリやりたい」。久々の7勝目を手にして、意欲は増すばかりだ。