勝みなみ(16=鹿児島高2年)が28位から7位に急浮上した。強風の中、5バーディー、2ボギーの69で通算イーブンパー216。先週のニュージーランドアマ選手権で、風対応に自信をつけたという。ラウンド中には頭の中にクマムシの「あったかいんだからぁ♪」が流れてくるなど、精神的にも乗っている。通算7アンダーで首位を守った藤本麻子(24)とは7打差も、難コースだけに、ドラマが起きる可能性は十分ある。

 18番パー5、勝は残り100ヤードの第3打をピッチングウエッジでカップ横1メートルにピタリ。「明日につながるし、13、14番の連続ボギーの悔しさを消すために」欲しかったバーディー締めだ。69はイ・ボミの68に次ぐスコアだった。

 「先週の経験が生きています」。海沿いのリンクスで「今日よりずっと強い風の中」、しっかり振り切ることで風に負けない球が打てた。風が強まった後半はすべてフェアウエーキープ。「自信になりました」。

 優勝した昨年KKT杯バンテリン時は、頭に「アナ雪のテーマ」が流れてきたと話したが、この日も同様の現象が…。お笑い芸人クマムシの「あったかいんだからぁ♪」「シャンプー」「なんだし」のリズムネタに加え、再び「アナ雪」が流れるという“吉兆”だ。

 同時に「今、すごくはまっているんです」と目を輝かせるのが、体操の内村航平の好物として有名な菓子「ブラックサンダー」。この日は2個持参すると、米倉涼子似の美人キャディー吉本舞さん(24)が「ブラックサンダーゴールド」を2個用意してくれ、プレーの合間に2人で食べ比べも。ハウスキャディーの吉本さんはラインの読みなどでも貢献し、勝は「とても助かってます」と感謝した。

 首位とは7打差。「狙えない位置ではない。それを意識せずに、心の奥底にとどめておいて…」。最終日の目標を「イーブンパー」と話す。何が起こるか分からない難コースを舞台に、勝のパーとの戦いが、勝機を呼び込むかもしれない。【岡田美奈】