広島国際学院高2年の金谷拓実(17=尾道G)が、節目の第100回大会で「17歳51日」の史上最年少優勝を飾った。決勝は「15歳19日」の埼玉・大利根中3年の中島啓太(那須小川)との“最年少対決”となり、10アンド9で圧勝。04年大会で李東桓(韓国)が記録した17歳92日を更新した。6月の日本女子アマを制したツアー最年少優勝者・勝みなみとは同学年。男子高校生アマも負けてない。

 通算27ホール目の9番パー5。金谷は5メートルのフックラインをねじ込むと、右手を力強く握り締めた。「うれしい。やはり年下には負けられませんから」。どちらが勝っても最年少王者となる決勝戦。2歳下の中島との対決を、28回大会(35年)で鍋島直泰が記録した12アンド11に次ぐ、歴代2位の大差10アンド9で制した。

 母美也子さん(54)に贈る快勝だ。広島・呉市の自宅から海田町の高校まで通常1時間半かかるが、連日朝5時半に起き、車で30分かけ送ってくれる。表彰式のスピーチで家族への感謝を込めて「お母さん、ありがとう」と語りかけ、見守る母を号泣させた。

 同学年に女子のスーパーアマ勝がいる。“女性優位”の状況に「ちょっと悔しいですね」と苦笑いした。将来の夢に「日本人の誰も勝っていないメジャーでの優勝」を掲げる。今後は体重60キロの体をもっと鍛え上げ、大学経由でプロを目指す。【加藤裕一】

 ◆金谷拓実(かなや・たくみ)1998年(平10)5月23日、広島県呉市生まれ。ゴルフは4歳から。今年の全国高校春季大会優勝。日本アマは13年43位、昨年ベスト16。国内プロツアーにも推薦出場し、5月ミズノオープン、今月セガサミー杯で予選落ち。好きな芸能人は堀北真希。170センチ、60キロ。家族は両親、兄。