世界ランク6位の松山英樹(24=LEXUS)が、17年初戦で上々のスタートを切った。4バーディー、ノーボギーの69で回り、4アンダーで首位と4打差の7位。約1カ月ぶりの実戦とあってグリーン上ではやや苦しみながら、安定感抜群のショットでまずまずの位置につけた。

 松山は17年最初のラウンドに及第点をつけた。「ひとまず4つ(アンダーパーに)潜ることができた。ショットに関しては、ほぼパーオンしている。チャンスは多くなかったけれど、まあ、いいプレーができたと思う」。17ホールでグリーンを捉え、パーオン率94・44%はウォーカーと並んでトップ。ショットでスコアを伸ばした。

 不満をのぞかせたのは、グリーン上。個人戦5戦4勝という16年終盤の圧倒的な強さを支えていた部分でもある。今季平均パット数(1・589)はツアー1位につけているが、この日は合計で32パットを要した。「読みも違ったし、ストロークも良かったり、悪かったりだった。やっぱり5メートルくらいのが入ってくれないとスコアは伸びない。もうちょっと、いけたと思う」と悔しがった。

 昨年12月に一時帰国した際は、16日までイベントや取材対応といった仕事をこなした。2週間というつかの間のオフを過ごし、1日に渡米。正月ムード一色の空港では、チェックインの手続きを待つわずかな時間でダンロップの担当者が持ってきたクラブをチェックするなど、急ピッチで実戦モードに仕上げてきた。

 ラウンド後は南国特有のにわか雨の中、練習グリーンで最後の1人になるまでボールを転がした。これまでも豊富な練習量が進化を支えてきた。昨年8月のバークレイズ。予選落ちを喫した松山は日が傾くまで、3時間ほどパット練習に没頭した。米ツアー2勝目を挙げた2月のフェニックス・オープン時の感覚を取り戻そうともがく中で、両肘を体から離し、浮かせて打つようなスタイルへと徐々に変化。その後の爆発につなげた経緯がある。

 「ショートゲームをいかに修正するかでスコアが変わってくる。まだまだ、明日からの成績次第ではチャンスがあると思う」。精鋭が集う舞台で、はっきりと頂点を見据えている。

 ◆SBSチャンピオンズ 前年のツアー優勝者のみが出場でき、予選落ちなしの4日間で行われる。今大会は32人が出場。松山は2年ぶりの参戦。前回15年大会は首位タイで最終日を迎えたが、最終18番で入れればプレーオフ進出となる2メートルのバーディーパットを外し、1打差の3位だった。