石川遼(25=CASIO)は3バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの72と伸ばせず、通算2アンダーの214で42位に後退した。パットが決まらずチャージは不発に終わったが、ショットの好調ぶりは継続。完璧を求める貪欲な姿勢に“松山化”を指摘する声も上がった。松山英樹(24=LEXUS)は同4アンダーの24位。パトリック・ロジャーズ(24)昨年大会優勝のブラント・スネデカー(36=ともに米国)が同9アンダーでトップに並んだ。

 16番パー3が象徴的なホールだった。5番アイアンを振り抜いた石川はすぐにフィニッシュを崩し、険しい表情でうつむいた。ボールはピンまで5・5メートルに落ち、ギャラリーからは拍手も起きた。もっと内側につけられたはず-。本人だけが納得していなかった。

 「今週のショットは今までにないくらい、自分でもすごいなと思っちゃってる」と笑った後で「自分のスタンダード(標準)じゃないから(驚いている)」と続けた。16番で見せたしぐさ。「悔しがり方が松山君に似てきた」と話す関係者もいる。周囲にはナイスショットに映る一打にガックリとうなだれる。完璧を追求する松山にとっては、おなじみの光景だ。石川も「もっと自分でハードルを上げて、技術的にもっと上を目指すことで、スタンダードのラインも上がっていく」と話す。悩みを抱えるパットが決まらずスコアは伸ばせなかったが、パーオン率が70%を超えたショットは好循環に入りつつある。【亀山泰宏】