池田勇太(31=フリー)が、今季も日本ツアーをけん引する。昨季は3勝を挙げ、谷原秀人とのデッドヒートを制して初の賞金王に輝いた。初優勝からの連続シーズン勝利は現役最長の8年連続。安定感に加え、30歳を超えて爆発力に磨きがかかった。昨年は1月から初めて本格的な筋力トレーニングに着手。角刈りをやめ、ズボンはノータックと外見も変えた。クラブ契約はフリーとなり、9月には長年連れ添った福田央(ひさし)キャディーとのコンビも解消した。

 変化を求め、新生・池田勇太として日本ツアーでトップに立ったが「100点満点じゃない。“中の上”です」と表現。シーズンの締めくくりとなった日本シリーズJT杯最終日の最終18番でバーディーパットを外し、1打差の2位。単独での年間最多勝を逃したことだけが心残りだった。

 今季は海外に目を向ける。3月にはメキシコ選手権、デル・マッチプレー(米テキサス州)と世界選手権シリーズを転戦。先週、6年ぶりにマスターズの舞台にも立った。1打及ばす予選突破はならなかったが、今週も谷原秀人とともに米国へ居残り、「RBCヘリテージ」(サウスカロライナ州 ハーバータウンGL)に出場し意欲を見せる。

 「国内では5勝を目指して(松山)英樹が立っている舞台まで行きたいという気持ちもありますし、海外でも頑張りたい」。片山晋呉が04年から3年連続で戴冠して以来となる2年連続の賞金王はもちろん、年間最多勝も譲れない。“上の上”と言える1年を目指し、勝利を重ねていく。