沖縄県出身の宮里優作(36=フリー)が地元優勝に向けて猛チャージに成功した。1アンダーの27位で出ると7バーディー、1ボギーの66をマークし、通算7アンダーで首位と3打差の3位に浮上。先月の中日クラウンズでのツアー4勝目に続き、自身2度目となる2試合連続Vを照準に定めた。8アンダーの首位で発進した谷口徹(49)は通算10アンダーまで伸ばしてトップをキープ。尾崎将司(70)が71で回り、エージシュートにあと1打届かなかった。

 尻上がりにパットの調子が戻った。2番でピン手前4メートルのパットを沈めてバーディー先行。その後も3~5メートルのパットを確実に決めて計7バーディーを奪取した。第1日に1番で4パット、13番で3パットとグリーン上での苦悩がウソのような変身ぶりだ。「タッチとライン取りが良くて合ってきました」。力強いまなざしも取り戻した。

 沖縄独特の暑さに疲弊する他選手に比べ、地の利を実感する。「応援は温かい感じですし、重圧はない。今日は20年ぶりに再会した人もいました」。米ツアーから一時帰国中の妹藍が兄聖志の応援に専念していたが、地元ムードを味方につけて集中力を持続できた。またエージシュートを逃した尾崎将には「体調が戻れば、あれだけやれるのですね」と刺激を受けた。以前、尾崎将のキャディーバッグに刺しゅうされた「百試千改」や「磨励自彊」などの4文字熟語の意味を尋ねた際には「お前に足りないもの」と猛ゲキを受けたこともある。プレー相談にも乗ってくれる大先輩の奮起も発奮材料となった。

 兄聖志が通算8オーバーの117位で予選落ちし「兄貴の分まで決勝ラウンドで頑張りたい」。宮里優が凱旋(がいせん)優勝を見据え、さらにギアを上げる。【藤中栄二】