沖縄出身の宮里優作(36=フリー)が、地元開催の国内メジャー戦で自身2度目の2試合連続優勝を成し遂げた。日没終了となった第3日の残りホールを早朝に消化。通算6アンダーの2位で出ると、8バーディー、2ボギーの66で回り、通算12アンダー276でツアー通算5勝目、自身初の年2勝を挙げた。一家で最初にゴルフを始めた母豊子さん(66)に最高の母の日プレゼントを贈った。これで宮里3兄妹全員が地元開催のツアーで優勝を飾った。

 数十センチの優勝パーパットを決めた宮里優は、大勢の地元ギャラリーから指笛で祝福された。18番のグリーン上で「沖縄の血が騒ぎました」。伝統の踊り「カチャーシー」を披露し、応援してくれたファンに感謝の気持ちを表現した。妻子と住む名古屋開催の中日クラウンズに続き、故郷の沖縄開催となった国内メジャーも制覇。「応援が重荷にならなくなった。力に変えられるようになった」。ツアー通算5勝目は、格別な歓喜が胸にこみ上げた。

 怒濤(どとう)のバーディーラッシュだった。足踏みする首位の谷口を横目に、4番のバーディーで通算8アンダーとして単独首位に立った。6番で2打目を70センチにつけて3連続バーディーを奪うと独走状態。プロゴルファーの兄聖志、妹藍をはじめ、父優さん、母豊子さんとゴルフ一家のメンバー全員が見守る中、圧倒的な強さをみせつけた。

 最終日は母の日。豊子さんが23歳の時にゴルフを始め、優さんに教えたことを契機に宮里一家のゴルフ物語が始まった。宮里優は「母がゴルフをやっていなかったら、宮里家でゴルフはなかった。母にいいところを見せられてよかった」と照れ笑い。豊子さんも「この上ない喜び」と最高のプレゼントに感激した。

 前夜には一家で食事し、良い雰囲気を演出してもらった。スタート前に優さんから「静かに勝ちにいくぞ」と激励も受けた。04年に聖志、藍が沖縄開催の日本ツアーを制覇。13年後、一家に支えられて最後に3兄妹の地元Vを達成した宮里優は「盛り上げたいという気持ちが力になっている」。前回の2試合連続優勝は13年日本シリーズJT杯、14年開幕戦の東建ホームメイト杯だったため、年2勝は初。賞金ランクも5700万円超えで首位に浮上。日本ツアーをけん引する存在感が漂ってきた。【藤中栄二】