男子ゴルフのメジャー、全英オープン(20日開幕、ロイヤルバークデールGC)の練習ラウンドが18日に同コースで行われた。

 世界ランク2位の松山英樹(25=LEXUS)は、谷原秀人(38=国際スポーツ振興協会)、欧州アマ覇者のアルフィー・プラント(25=英国)とともに18ホールをプレー。2日前に回った練習ラウンド時とは正反対の風が吹く中、本番に向けて戦略を練った。

 ラウンドには中継局のテレビ朝日で解説と務める青木功(74)と丸山茂樹(47)も同行。今大会と同じコースで開催された08年大会に出場し、28位だった丸山は「バークデールは僕が回った中でも、牙をむき始めたら3本の指に入る難しさだった。3度目の全英で、ここで洗礼を受けた。状態がいい中で来ても歯が立たなかった。天候次第ですごく変わる」と振り返る。

 松山のゴルフについては賛辞を惜しまなかった。「我々の時代とはゴルフが変わりすぎちゃって、すごいね。一番ビックリしたのが、ちょっとフォローで(残り)217ヤードのセカンドを9番アイアンで乗っけていたこと。最後の18番なんて、473ヤードを(ティーショットが)アイアン、(第2打も)アイアンですよ。あり得ないです。ちょっとゴルフの次元がね。別世界でやってるんだなと。(インパクトで)ワールドクラスの球の音がしますよね」と驚きを隠せない。

 着実に世界でトップを争える領域に達しつつある松山のパワーゲーム。そこに日本人が足を踏み入れることは、タイガー・ウッズ(米国)が登場した時の衝撃と似たものを感じるという。「タイガー・ウッズが出てきた時、飛ばし屋の30ヤード先にいって『ちょっと別世界だよ』というコメントが次々にゴルフチャンネルで流れた時を思い出すよね。日本では、そんな感じ(で受け止められること)だろうね」とうなった。

 仕上がりにも太鼓判を押した。「すごくいいと思います。春先、何となく気になっていたトップからの切り返しの部分は、すごく安定している。(2位だった)USオープンの時も思ったけど、曲がりの幅は確実に少なくなってきている」と分析。さらに松山には、全米オープンで多くのチャンスを演出し、数々のピンチを救った抜群のアプローチがある。「打ち方もね、初めて会った5年前とは100倍違うというか、いろんな人からいろんなことを吸収して、できてるんだと思う。今は絶体絶命のところにいかない限り、許容範囲の中に寄せられるだけのものはしっかりと持ってるんじゃないかな」とたたえた。

 日本男子初のメジャー制覇へ、高まる期待。丸山は「(天候で大きく左右される)ブリティッシュオープンだけは、ちょっと何とも言えない。すごく調子がいいから勝てる、というところじゃないでしょ? こればっかりは、やってみないと何とも言えない」としつつ「可能性的には十分あると思う。パットとアプローチがさえ渡った瞬間に、そこ(頂点)にいられると思います」と見解を示した。