松山英樹(25=LEXUS)は3バーディー、2ボギー、1トリプルボギーの72で回り、通算2アンダーの278で14位だった。

 日本男子初のメジャー制覇の夢は、1番の第1打で大きくしぼんでしまった。3番ウッドを「いい感じで」振り抜いたボールは大きく右に出て柵を越え、いきなりのOB。打ち直した後の第4打もバンカーに捕まり、5オン2パットで「7」をたたいた。

 7打差から首位を追う上では痛すぎるスタートホールだった。「ボギーとかダブルボギーで収まっていたら、もう1回、気持ちを入れ直してという感じだったと思うんですけど…トリプルボギーにして、ちょっと、何て言うんですかね、うまく切り替えられなかったっていう感じはありますね」と振り返る。

 もはや松山は、メジャーでもトップ10やトップ5を目指す選手ではない。頂点だけを見据える領域にいるからこそ、絶望的な10打差に気持ちを奮い立たせることは難しかったのかもしれない。「早く(この日)パープレーまで戻したい」という思いで必死に粘り、14番で3メートルのパーパット、17番でもバンカーショットがショートした後のバーディーパットを何とかねじ込んだが、巻き返しはならなかった。

 「ショットが不安定だった。それに尽きます」。フェアウエーキープ率は4日間で最も悪い36%。「練習場もすごく悪かった」と不安を抱えていた。象徴的だったのは、スタート前のドライビングレンジで2度に分けて握るドライバーショット。感触が良ければ2、3球で切り上げるが、この日はなかなか納得できず、10球を要していた。

 「自分の技術のなさ。残念な1週間」と結果を受け止める。4日間で3パットはなく、平均パット数1・54は全体9位。グリーン上で安定感を見せただけに「ちょっときっかけをつかめそうだったのが、またなくなってしまった。次、何をしなければいけないかをしっかり考えたい」と、早くもショットの立て直しに思考を巡らせた。

 休む間もなく、世界選手権シリーズのブリヂストン招待(8月3日開幕、オハイオ州アクロン・ファイアストーンCC)が控える。そして、今季最後のメジャーである全米プロ選手権(8月10日開幕、ノースカロライナ州シャーロット・クウェイルホローC)。舞台を移し、悲願へ再び挑戦する。